「学士」とは、大学卒業で得られる学位のことです。一般的には「大卒資格」と呼ばれることもあり、就職や転職で学歴として評価されるため、キャリアアップや収入アップにつながります。そこで本記事では、学士を取得するメリットや方法について解説します。
大学卒業の「学士」とは
「学士」とは、大学を卒業した人が取得できる学位のことです。まずは学士の基本について、次のポイントから見ていきましょう。
- 「学士」は大学卒業者に授与される学位
- 「学位」は大学・大学院修了を証明するもの
- 学位に付記する名称は専攻分野により異なる
「学士」は大学卒業者に授与される学位
「学士」とは、大学を卒業した人に授与される学位のことです。文部科学省に認可された4年制大学に入学し、卒業に必要な単位をすべて履修したうえで卒業することで、学士の学位が得られます。
文部科学省の「昭和二十八年文部省令第九号」で定められている学位規則により、学校が与えることができる学位の条件等が定められています。ただし、4年制大学以外の高等教育機関や、4年制大学であっても文部科学省に認可されていない大学の場合は、卒業しても「学士の学位」は得られないので注意が必要です。
「学位」は大学・大学院修了を証明するもの
厚生労働省の「学位及び称号について」で、次のような学位が定められています。
学位 |
条件 |
---|---|
学士 |
4年制大学を卒業する |
修士 |
大学院の修士課程を修了する |
博士 |
大学院の博士課程を修了する |
短期大学士 |
短期大学を卒業する |
専門士 |
要件を満たす専修学校の専門課程を卒業する |
高度専門士 |
要件を満たす専修学校の専門課程を卒業する |
つまり、大学・短期大学・大学院を修了した証明として、特定の学位が与えられるということです。学位のなかで特に「4年制大学を卒業した」ことを示すのが「学士」となります。
学位に付記する名称は専攻分野により異なる
4年制大学を卒業することで「学士」の学位が得られますが、「学位規則 第十条(専攻分野の名称)」で規定されているように、正式な場面では学位に専攻分野も併記することが定められています。
例えば、教育学部を卒業した「学士(教育学)」や、法学部を卒業した「学士(法学)」等です。「大卒の学歴」が条件となっている求人では、一般的に学位の種類が指定されることは少ないですが、企業や職種によっては特定分野の学位が求められるケースもあります。
大学卒業で学士の学位を得るメリット

大学卒業で学士の学位を得ることで、次のようなメリットが期待できます。
- 就職・転職・キャリアの選択肢が広がる
- 専門的な知識とスキルが習得できる
- 収入・年収の向上が期待できる
- 海外就労の際にビザを取得しやすい
- 人脈が広がって将来の選択肢が増える
就職・転職・キャリアの選択肢が広がる
企業の求人の募集要項として、大卒以上の学歴が求められているケースは決して珍しくありません。高卒であればその時点で求人に応募できませんが、大学卒業で学士の学位を得ることで、さまざまな求人にチャレンジしやすくなります。つまり、今までよりも就職・転職の対象となる企業や職種が増えて、それだけ選択肢が増えるということです。
専門的な知識とスキルが習得できる
高等教育は高度な学問を習得するための機関なので、大学を卒業して学士の学位を得ることで、専門的な知識・スキルが身に付きます。分野によっては独学でも専門知識を習得できるケースはありますが、学位を取得することで自身の知識・スキルを証明できるため、企業や組織の信頼が得やすくなるのです。
収入・年収の向上が期待できる
大卒資格を取得することで、より高収入が得られる仕事に就きやすくなります。一般的に、募集要項で「大卒以上」となっている職業やポストは、高卒者も対象となるものより賃金水準が高い傾向があります。
厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、学歴別の平均月収は高卒が約28万円で大卒が約37万円です。1か月あたり平均で10万円近い収入差が生じることになるため、大きな違いがあるといえるでしょう。
海外就労の際にビザを取得しやすい
何らかの理由により海外で就労する際は、「就労ビザ」の要件として学位が求められるケースが少なくありません。高等教育を修了したことを証明する学士の学位があれば、海外の企業に対しても自身の価値をアピールしやすくなります。その結果、海外移住や収入アップ等、今後の人生の可能性が大幅に広がるのです。
人脈が広がって将来の選択肢が増える
大学生活ではさまざまな人との出会いがあり、自然と人脈が広がっていきます。将来的にその人脈がきっかけとなり、ビジネスで有利になることや起業につながることがあるかもしれません。なお、自宅学習が基本の「通信制大学」であっても、オンラインで学生同士のコミュニティがあるため、一般的な4年制大学のように学業と併せて人脈も磨けるでしょう。
大学卒業で学士の資格を得る方法
大学卒業で学士の資格を得る方法として、次のようなものがあります。
- 大学の昼間学部
- 大学の夜間学部
- 通信制大学
大学の昼間学部
通信制大学や夜間学部が存在しない学部、医師・薬剤師等の一部の国家資格をめざす場合は、昼間学部への通学が必須となります。ただし一般の4年制大学生と同様に、平日は基本的に毎日朝から夕方まで講義に出る必要があるため、仕事や育児等がある場合は非常にハードルが高いでしょう。
大学の夜間学部
仕事や子育て等で忙しく、大学の昼間学部に通えない場合は、夜間学部でも大卒資格がめざせます。ただし講義は夕方ごろに始まり、1回90分の講義を複数受ける必要があるため、社会人の場合は定時帰宅できなければ難しいかもしれません。スケジュール調整が難しい場合は、後述する「通信制大学」を選ぶことで、自宅学習で必要な単位が取得できるようになります。
通信制大学
通信制大学もしくは大学の通信制過程に通い、必要な単位を修得することで、一般的な4年制大学と同様に大卒資格が取得できます。定期的なスクーリング(登校)が必要な場合を除き、自宅で自分のペースで学習できるため、居住地やスケジュール等の理由で一般の4年制大学に通えない場合でも、大卒資格の取得がめざせます。また、学生同士のコミュニティもあるため、モチベーションを高めながら学べることも魅力です。
大学卒業で学士の取得をめざすならサイバー大学へ

大学卒業で学士の学位を取得することで、専門的な知識・スキルを習得でき、就職・転職・キャリアの選択肢が広がります。大学の昼間学部や夜間学部を卒業することで、学士の学位が得られますが、仕事や育児等で忙しい場合は通学やスケジュールの負担が大きいかもしれません。通信制大学に通うことで、自宅から高等教育を受けることができます。
通信制大学の「サイバー大学」では、フルオンラインの大学でスクーリングが不要なので、全国どこでも、海外(※GDPR加盟国以外)からでも学ぶことができます。学修支援はもちろん、進路選択や卒業後のキャリア形成のサポート等も充実しており、就職・転職の幅が広がるでしょう。
さらに、学生や教職員が参加する公式コミュニティがあるため、同年代はもちろん異なる世代の学友との交流の機会が得られて、人脈が深まることも魅力です。学士の学位の取得に関してお悩みの方は、この機会にぜひサイバー大学を検討してみてください。