「大卒資格」とは、4年制大学を卒業することで得られる学歴・学位のことです。大卒資格を取得することで、就職・転職やキャリアの幅が広がり、現在より高い収入が得られるようになる可能性があります。本記事では、大卒資格を取得するメリットや注意点、方法について解説します。
大卒資格とは
まずは大卒資格について、次のポイントから解説します。
- 大学を卒業することで取得できる学士号
- 「大卒認定試験」は存在しない
大学を卒業することで取得できる学士号
大卒資格とは、大学を卒業することで得られる資格のことで、「学士号」と呼ばれる学位を指します。大学在学中に必要な単位(124単位)を修得することで、大卒資格が得られます。
なお、学士号が取得できるのは4年制大学であり、それ以外の場合は学士号は得られません。例えば短期大学では「短期大学士」、専門学校は条件により「専門士」や「高度専門士」等が得られますが、それらは大卒資格・学士号とは異なります。
また、文部科学省に認可された大学だけが「学位授与権」を有しているため、非認可校の場合は4年制大学であっても大卒資格が得られないことに注意が必要です。
「大卒認定試験」は存在しない
高卒資格は、「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)」でも取得できるため、必ずしも高校を卒業する必要はありません。しかし大卒資格は、前述したように4年制大学を卒業することでしか取得できないため、「大卒認定試験」は存在しないのです。
大卒資格を取得するための方法は4つ
大卒資格を取得するためには、次のいずれかの方法で所定の単位を修得する必要があります。
- 大学の昼間学部
- 大学の夜間学部
- 通信制大学
- 大学改革支援・学位授与機構
大学の昼間学部
時間やスケジュールに余裕がある場合は、社会人でも4年制大学の昼間学部に通える場合があります。通信制大学や夜間学部が存在しない学部や、医師・薬剤師等の一部の国家資格をめざす場合は、昼間学部への通学が必須です。
ただし、社会人が大学の昼間学部で学ぶ場合は一般の4年制大学生と同様に、平日は基本的に毎日朝から夕方まで講義に出る必要があります。そのため、仕事や育児等がある場合は、学習継続や卒業のハードルが高くなってしまうでしょう。
大学の夜間学部
仕事や子育て等で忙しく、大学の昼間学部に通えない場合は、夜間学部でも大卒資格をめざすことができます。ただし講義は夕方ごろに始まり、1回90分の講義を複数受ける必要があるため、社会人の場合は定時帰宅できなければ難しいかもしれません。
スケジュール調整が難しい場合は、後述する「通信制大学」を選ぶことで、自宅学習で必要な単位が修得できるようになるのでお勧めです。
通信制大学
通信制大学もしくは大学の通信制課程に通い、必要な単位を修得することで、前述した大学の昼間学部・夜間学部と同様に大卒資格が取得できます。また一般的な4年制大学と同様に、過去に4年制大学や短期大学等に通っていたことがある場合は、2~4年次への編入学が可能なケースがあります。
定期的なスクーリング(通学)が必要な場合を除き、自分のペースで自宅学習ができるため、居住地やスケジュール等の理由から一般の4年制大学に通えない場合でも、大卒資格の取得がめざせることが魅力です。
大学改革支援・学位授与機構
4年制大学で2年以上在籍して62単位以上を修得した場合や、短大・高専を卒業して一定条件を満たした場合等は、大卒資格を取得できる可能性があります。卒業に不足している単位を通信制大学等で修得後、「大学改革支援・学位授与機構」への申請が必要です。詳細については、独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構の資料も確認してみましょう。
ただし、大学改革支援・学位授与機構で大卒資格は取得できますが、履歴書等で「大学を卒業した」という経歴を記載できるわけではありません。就職や転職でアピールできる学歴つまり「大卒資格」を取得するためには、前述した通信制大学への編入学を検討するのがお勧めです。
大卒資格を取得するメリット

大卒資格を取得するメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 大卒以上が条件の求人に応募できる
- 大卒が前提の資格試験を受験できる
- 現在より収入が上がる可能性がある
- 幅広い知識や教養が身に付きやすい
幅広い知識や教養が身に付きやすい
大卒資格を取得することで、「大卒以上の学歴」が条件の求人にも応募できるため、職業の選択肢が今までより広がります。例えば就職・転職活動において、高卒の場合は書類審査の段階で学歴が理由で不可となっていた場合でも、大卒資格があれば次のステップに進めるのです。
その結果、これまでより高収入の職業やキャリアアップをめざすことが可能となります。さらに、海外で就労ビザを取得して働く場合も「大卒」が要件となる場合が多いため、大卒資格を得ることで海外就労や移住をめざす場合にも有利となるでしょう。
職業選択を広げる受験資格取得につながる
大卒資格により、「社会福祉士」「公認心理士」「図書館司書」「精神保健福祉士」「保育士」等の受験資格が満たしやすくなります。高卒の場合と比べて資格取得のチャンスも広がるため、将来的な職業やキャリアの選択肢も増えるのです。
現在より収入が上がる可能性がある
一般的には、高卒よりも大卒の方が同じ職種でも賃金が高く、より上位の職種にも就きやすいため、大卒資格を取得することで収入アップが期待できます。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、学歴別の平均月収は高卒が約28万円である一方、大卒は約37万円となっており、1か月当たり平均で10万円近くの差が出ます。さらに、大卒資格があれば大学院への進学も可能となるため、キャリアアップのチャンスが広がるでしょう。
幅広い知識や教養が身に付きやすい
大学では専門分野はもちろん、一般教養についても学ぶため、幅広い分野の知識・教養が身に付きます。知識や教養は試験を解いたり実務で活用したりするだけではなく、コミュニケーションに役立つことも珍しくありません。何気ない会話によって人脈が広がり、それが新たな出会いやビジネスチャンスにつながることもあります。
大卒資格をめざすデメリット・注意点
大卒資格をめざす場合は、次のようなデメリットに注意が必要です。
- まとまった学費が必要になる
- 取得できるまで時間が掛かる
- モチベーションの維持が必要
まとまった学費が必要になる
大学に通うためには、授業料や施設設備費等が必要となるため、経済的な負担が生じます。学費は基本的に1年間に前期・後期の2回で支払うことが多いため、進学前にまとまった資金か収入源を確保しておく必要があります。
一方で通信制大学「サイバー大学」のように、一般的な年額固定制ではなく、履修した科目の単位数に応じて授業料が変動する大学もあります。こうした通信制大学を選ぶことで、授業料の負担を減らすことが可能です。
取得できるまで時間が掛かる
モチベーションの維持が必要
前述した通り大卒資格には長い期間が掛かるため、学習し続けるためにはモチベーションの維持が必須です。進学したものの「思った内容でない」という場合や、カリキュラムについていけない場合は、モチベーション低下で学習が困難になってしまいます。
特に通信制大学の場合は自宅学習が基本のため、「必ず大卒資格を取得する」という意欲が欠かせません。本当に学びたい分野でなければモチベーションを維持しづらいので、学部や学科を丁寧に選ぶことも大切です。
大卒資格の取得をめざすならサイバー大学へ

大卒資格を取得することで、今後のキャリアやライフスタイルの選択肢が広がります。大卒資格を取得する方法として、4年制大学の昼間学部や夜間学部等がありますが、仕事や育児等との両立が難しいこともあるでしょう。そこで自宅学習で大卒資格が取得できる「通信制大学」がお勧めです。
通信制大学の「サイバー大学」では、フルオンラインの大学でスクーリングが不要なので、全国どこでも、海外(※GDPR加盟国以外)からでも学ぶことができます。さらに、「サイバー大学」には「早期卒業制度」があるため、成績優秀と認められた場合は編入学の場合最短1.5年で大卒資格が取得できる可能性があります。大卒資格の取得に関してお悩みの方は、この機会にぜひサイバー大学を検討してみてください。