企業のIT化やDXが進むなかで、IT系の資格試験が注目されるようになりました。そのひとつが「ITパスポート試験」です。IT分野の初学者に適した国家資格ですが、具体的にどんな資格でどのような知識が求められるか等、イメージしづらいこともあるでしょう。そこで本記事では、ITパスポート試験の試験内容やお勧めの勉強方法について解説します。
ITパスポート試験とは?
ITパスポート試験の勉強を進めるにあたって、ぜひ知っておくべき次のポイントを解説します。
- IT分野の幅広い知識が求められる国家試験
- 試験はCBT方式でコンピュータ上で行う
- 難易度は初級レベルで合格率は比較的高い
IT分野の幅広い知識が求められる国家試験
ITパスポート試験は、IT業界をめざす初学者向けの国家資格です。ITパスポート試験を含む情報処理技術者試験を運営する独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)によると、「ITを利活用する社会人が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験」となっています。IT分野の基礎はもちろん、ビジネスとITを絡めた分野の知識も求められる資格です。
試験はCBT方式でコンピュータ上で行う
ITパスポート試験は、コンピュータ上で設問に解答する「CBT(Computer Based Testing)方式」で行われます。そのため、試験は春と秋の年2回のようなものではなく、任意のタイミングで受験日を選んで申し込むことができます。ただし、受験できるのは指定会場に限られており、会場によって実施される日程等も異なるので、事前に確認しておくことが大切です。
難易度は初級レベルで合格率は比較的高い
ITパスポート試験の難易度は、IPAが提唱する「共通キャリア・スキルフレームワーク」によると、「レベル1」つまり初級クラスの資格です。IPAの「統計情報」によると、合格率はおおむね50%前後で推移しています。
以上の点から、ITパスポート試験は独学でも比較的合格しやすい資格試験だといえるでしょう。ちなみに、IT分野の経験がない人の場合は約100時間の勉強が必要で、1日当たり2時間勉強する場合は約2か月の勉強期間に相当します。
ITパスポート試験の出題傾向・特徴
ITパスポート試験の勉強をする際に知っておくべき、出題傾向や特長は次の通りです。なお、本記事の内容は2025年1月現在のものなので、詳細は公式サイトで確認しておきましょう。
- 3つの分野から全100問が出題される
- 基礎的な知識が問われる問題が多い
- 過去問と似た傾向の問題が出題される
3つの分野から全100問が出題される
ITパスポート試験では、次の3つの分野から全100問が出題されて、合計600点以上を得点する必要があります。
- ストラテジ系問題
- マネジメント系問題
- テクノロジ系問題
ただし、分野別の評価点がそれぞれ300点以上なければ合格になりません。得意分野だけ頑張ってもカバーすることはできないため、勉強方法やスケジュール等の設定には注意が必要です。
ストラテジ系問題
「ストラテジ系問題」は経営全般に関する内容で、35問程度が出題されます。分野ごとの出題範囲は次の通りです。
企業と法務 |
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経営戦略 |
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システム戦略 |
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マネジメント系問題
「マネジメント系問題」はIT管理に関する内容で、20問程度が出題されます。分野ごとの出題範囲は次の通りです。
開発技術 |
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プロジェクトマネジメント |
プロジェクトマネジメントの意義や考え方 |
サービスマネジメント |
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テクノロジ系問題
「テクノロジ系問題」はIT技術に関する内容で、45問程度が出題されます。分野ごとの出題範囲は次の通りです。
基礎理論 |
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コンピュータシステム |
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技術要素 |
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基礎的な知識が問われる問題が多い
ITパスポート試験では、IT分野の高度な専門知識というよりも、あくまで基礎的な内容の出題が多く、そのほかに経営・ビジネス・法律といった関連分野も問われます。
出題内容が「浅く広い」傾向があり、前述したように分野別評価点が300点以上必要なので、得意分野だけ頑張ってカバーできるものではありません。IT分野の幅広い知識を満遍なく身に付ける必要があるため、より専門的な知識が求められる上位資格への足掛かりにもなります。
過去問と似た傾向の問題が出題される
ITパスポート試験では、過去問と似た傾向の問題が出題されることが多いです。そのため、過去問を重点的に解いて出題傾向をつかむことで、本番でもスムーズに解答しやすくなります。過去問と同じ問題が出題されなくても、試験対策で培ったノウハウが活用できるのです。
ITパスポート試験に合格するためのお勧め勉強方法

ITパスポート試験の勉強をするときは、次のポイントを意識することで、合格の可能性が高まるでしょう。
- 適切な学習スケジュールを立てる
- インプットとアウトプットを続ける
- 過去問を繰り返し解いて傾向をつかむ
適切な学習スケジュールを立てる
ITパスポート試験の受験日を決めた後は、どのようなペースで勉強するかスケジュールを立てましょう。初学者の場合は100時間前後の勉強が必要だと考えられているので、1日当たり何時間勉強して何か月かかるかを考慮することが大切です。
インプットとアウトプットを続ける
ITパスポート試験の勉強を効果的に進めるためには、インプットとアウトプットを繰り返し、必要な知識を定着させていくことが重要です。大量の知識を一気にインプットしようとすると、忘れてしまう部分が多くなり学習効率が低下します。
テキストや参考書等で知識をインプットしたら、早めに演習問題や過去問を解いてアウトプットすることで、インプットした知識が定着しやすくなります。
過去問を繰り返し解いて傾向をつかむ
前述したように、ITパスポート試験は過去問と類似する問題が多く出題されるため、過去問を繰り返し解くようにすることがコツです。間違えた部分について、参考書やテキスト等で復習することで知識が定着するため、同じ間違いを繰り返さなくなり、本番での正答率が向上するでしょう。
ITパスポート試験対策のための学習手段
ITパスポート試験の勉強は、次のような方法で行うことができます。
- 独学
- 大学やスクール
独学
自分でテキストや参考書を選ぶことで、自宅で独学にてITパスポート試験の勉強ができます。IT分野に関する自身の経験やレベルに合う書籍を選べることや、自分のペースで自由に勉強できることが魅力です。ただし、スケジュール管理が不十分だと試験日までに対策が間に合わなくなることや、不明点・疑問点を解消しづらく挫折の可能性があることに注意が必要です。
大学やスクール
ITパスポート試験は比較的独学で対策しやすい資格ですが、慣れていない場合は難しいことがあるため、大学やスクール等で学ぶ方が効果的です。大学やスクールでは周辺知識も含めて体系的に学べるため、ITパスポート試験に合格した後は、上位資格の取得をめざすための勉強もスムーズに進められます。
また資格の取得だけではなく、就職・転職のサポートも充実しているため、転職やキャリアアップにも役立つでしょう。通信制大学の「サイバー大学」では、ITパスポート試験の取得に活かせる科目が豊富にあるため、試験対策はもちろん実務に役立つ知識・スキルを身に付けることができます。
ITパスポート試験の取得をめざすならサイバー大学へ!

ITパスポート試験は、IT分野の初学者向きの国家資格ではありますが、幅広い知識が求められます。そのため、短期間での合格をめざす場合は、適切な方法やスケジュールで勉強することが大切です。独学での勉強が難しい場合は、大学やスクール等も検討してみるといいでしょう。
通信制大学の「サイバー大学」では、ITパスポート試験に合格するための知識について体系的に学べます。さらに、在学中にITパスポート試験を取得すると、15,000円の「資格取得奨励金制度」が支給されるため、モチベーションを維持しながら学びやすいことも魅力です。
卒業に必要な単位を修得すれば、大卒資格(学士号)学位が取得できるのも大きなメリットです。学修支援はもちろん、進路選択や卒業後のキャリア形成のサポート等も充実しており、就職・転職の幅が広がるでしょう。
ITパスポート試験の取得に関してお悩みの方は、この機会にぜひサイバー大学を検討してみてください。