2025.09.19

CCNAはどんな資格?難易度・合格率や勉強方法を分かりやすく解説

IT分野でキャリアを築きたい人や、インフラ・ネットワーク関連の分野に興味がある人にとって、「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」は魅力的な資格です。CCNAは世界的な認知度があるため、ネットワークエンジニアへの登竜門として評価されています。

そこで本記事では、CCNAの概要や難易度、取得するメリットや効果的な勉強法等について詳しく解説します。

CCNAとは?資格の概要と内容

CCNAという資格について、まずは次のポイントから見ていきましょう。

  • シスコシステムズの資格
  • 要求レベルはアソシエイト
  • LinuCとの違い

シスコシステムズの資格

CCNA(Cisco Certified Network Associate)」は、ネットワーク機器で有名なシスコシステムズ社による国際資格です。ネットワークに関する基礎知識が求められる資格であり、世界の共通資格となっていることから、信頼性が高い資格となっています。

後述するように、CCNAで求められる知識・スキルはネットワーク関連分野で最低限必要なものなので、CCNAは「ネットワークエンジニアの登竜門」だといえます。

要求レベルはアソシエイト

CCNAは「シスコ認定試験」の一つであり、要求レベルは次のように下から2番目の「アソシエイト」となっています。

CCAr

アーキテクトレベル

CCIE

エキスパートレベル

CCNP

プロフェッショナルレベル

CCNA

アソシエイトレベル

CCT

エントリーレベル

詳細は後述しますが、CCNAの資格では次のようなスキルが求められます。

  • ネットワークの基礎
  • ネットワークアクセス
  • IPコネクティビティ
  • IPサービス
  • セキュリティの基礎
  • 自動化とプログラマビリティ

LinuCとの違い

インフラエンジニア向けの資格として「LinuC」というものがあります。CCNAとLinuCは混同されがちですが、LinuCがLinux環境に特化したスキルを証明する資格である一方、CCNAはより一般的なネットワーク関連の知識・スキルが求められる点が大きな違いです。

CCNA資格の試験概要

CCNA資格の概要について次のポイントから解説します。

  • 受験方法
  • 受験方法
  • 申込方法
  • 試験時間と問題数
  • 試験形式
  • 有効期限

受験方法

CCNAに受験資格はないため、基本的には誰でも受験できます。ただし、受験日の前日に予約の締め切りとなるため、後述する手順で早めに申し込んでおくのが無難です。受験会場については、全国各地に設置されているテストセンターか、次の条件が整えば自宅からのオンライン受験も選べます。

  • インターネット環境が安定している
  • Webカメラがパソコンに備わっている

受験料

2025年6月現在、CCNAの受験料は46,860円(税込)となっており、支払い方法は以下の4つの方法から選べます。

  • クレジットカード
  • 銀行振込
  • バウチャー
  • 現金

ただし、現金での支払いはテストセンターで受験する場合のみ可能となっているうえに、現金払い非対応のテストセンターもあるので注意が必要です。

申込方法

シスコ認定試験を初めて受ける場合は、まずは公式サイトでアカウントを作成しましょう。アカウントを作成できたらログインし、試験予約ページで必要事項を入力するとCCNAの申し込みができます。

なお、受験方法は「テストセンター」か「オンライン」を選べますが、オンラインの場合は前述した条件を満たす必要があります。テストセンターの場合は、定員に達すると予約ができなくなるため、早めの申し込みが無難です。

試験時間と問題数

CCNAの公式サイトによると、CCNAの試験時間は120分となっています。問題数については非公開となっていますが、100問前後であることが一般的で試験時間に対して多いため、時間配分を意識して回答することが大切です。

試験形式

CCNAは「CBT(Computer Based Testing)形式」、つまりコンピュータを使った試験方式となっています。出題方式は次のように複数の種類のものがあります。

  • 画面上に問題文が表示されて正解を選ぶ選択式
  • 項目を正確な場所に移動させるドラッグ&ドロップ形式
  • 実戦的な操作が求められるシミュレーション問題

有効期限

CCNAは「取得後3年間」という有効期限があり、合格日から3年が経過すると資格が失われてしまいます。資格を保持するためには、有効期限内にCCNAを更新するか、CCNPのような上位資格に合格しないといけません。

CCNAの試験内容と難易度

CCNAについて次のポイントからより詳しく解説します。

  • CCNAの試験内容
  • CCNAの難易度
  • CCNAの合格率
  • CCNAで必要な勉強時間

CCNAの試験内容

CCNAの公式サイトによると、CCNAの試験内容・出題範囲は次の通りです。

分野

配点割合

詳細

ネットワークの基礎

20%

ネットワーク機器や通信条件、ルーターやスイッチの役割等

ネットワークアクセス

20%

無線LANの設定・認証方法や安定通信を行う仕組み等

IP接続

25%

ルーターによる通信の仕組みやルーティングの構成要素等

IPサービス

10%

ネットワーク機器の設定・認証方法やログ出力の仕組み等

セキュリティの基礎

15%

セキュリティの基礎や概念、暗号化方式の種類や仕組み等

自動化とプログラマビリティ

10%

ネットワーク自動化による影響や、AI・機械学習の概要等

これらの内容について学習することで、CCNAの合格をめざせるようになるでしょう。

CCNAの難易度

前述したように、CCNAはシスコ認定試験の中で下から2番目のアソシエイトレベルであり、初学者向きであるとされています。さらに、独立行政法人情報処理推進機構が認定しているITSS(ITスキル標準)によると、CCNAはレベル2です。

国家資格である基本情報技術者試験も同じくレベル2であり、比較的合格しやすいといわれているため、CCNAも同等の難易度であると考えられます。ただし、CCNAはネットワークに特化した国際資格であるため専門性が高く、集中的な学習が求められることには変わりありません。

CCNAの合格率

CCNAの合格ラインは非公開ですが、1,000点満点で825~850点前後であると推定されており、8割以上の正答率が求められることが分かります。合格率も同様に非公開ですが、一般的には20〜30%前後だといわれています。合格率は低いように感じ不安になるかもしれませんが、前述した各分野の内容を丁寧に学習して、知識を定着させていくことが大切です。

CCNAで必要な勉強時間

IT分野の経験がない場合、CCNAの資格を取得するために必要な勉強時間は、200時間前後が目安だといわれています。そのため、1日当たり2~3時間の勉強を続ければ、およそ3か月でCCNAを受験するための準備が整うと考えられます。

CCNA資格を取得するメリット

CCNA資格を取得することで、次のようなメリットが期待できます。

  • 基礎スキルの証明で転職に有利になる
  • 実務で役立つ知識が学べる
  • 資格手当で収入アップが見込める
  • 上流工程へのキャリアアップにつながる

基礎スキルの証明で転職に有利になる

CCNAはネットワークエンジニアとして求められる基礎スキルを証明する資格なので、取得することで自身の知識・スキルに対する企業の信頼度が高まります。実務経験がなかったとしても、即戦力として評価される場合があるため、転職活動の際に有利になるでしょう。

実務で役立つ知識が学べる

資格試験の中には知識を実務に活かしづらい場合がありますが、CCNAの試験内容は実務に直結するものになっています。そのため、CCNAに合格するための勉強をすることで、ネットワークエンジニアとして実務をこなせるスキルが身に付きます。

資格手当で収入アップが見込める

CCNAの資格を取得することで、企業によっては「資格手当」が支給されるケースがあります。例えば、1か月当たり1万円の資格手当が支給される場合は、単純計算で年収が12万円アップします。これからCCNAを取得して転職をめざす場合は、資格手当の有無についても確認しておきましょう。

上流工程へのキャリアアップにつながる

未経験からネットワークエンジニアに転職すると、通常は専門知識が要求されない下流工程を担当し、実務を積みながら上流工程へ移行することになります。CCNAはネットワークに関する専門知識が学べるため、知識・スキルをアピールできれば、早い段階から上流工程の業務に携われる可能性があります。その結果、自身の市場価値を向上してキャリアアップにつながることが期待できます。

CCNA資格を取得するためのポイント・注意点

CCNA資格の勉強を効率的に進めるために、次のようなポイントを意識することが大切です。

  • 効率的な学習方法を意識する
  • CCNA特有の問題文に慣れておく
  • 「再受験ポリシー」に注意する

効率的な学習方法を意識する

まずは試験範囲を網羅的にインプットしてから、問題演習でアウトプットしましょう。最初から完璧な理解をめざすのではなく、テキストを繰り返し読んで知識を定着させていくことが大切です。それから実践的な演習問題に取り組み、公式サイトの練習問題等も活用することで理解が深まります。より効率的に学習するためには、後述するような大学やスクールに通うのが効果的です。

CCNA特有の問題文に慣れておく

CCNAは日本語で受験できますが、運営元が海外であるため、一部の問題文や選択肢が英文を直訳したようなもので分かりづらいことがあります。戸惑っていると時間が足りなくなってしまうため、模擬試験や過去問等を繰り返して独特の問題形式に慣れておくことが大切です。

「再受験ポリシー」に注意する

万が一CCNAを受験して不合格になった場合、5日間の待機期間が設けられているため、受験した日から6日後以降でなければ再受験できません。再受験の回数に制限はありませんが、前述したように受験料は2025年6月現在で46,860円(税込)と決して安くありません。さらに、今後も値上がりの可能性が考えられるため、受験対策を丁寧に行っておきたいところです。

CCNA資格を取得するための勉強方法

CCNA資格を取得するための勉強方法として、次のようなものがあります。

  • 独学で勉強する
  • 大学やスクール等で学ぶ

独学で勉強する

参考書やテキスト等を活用することで、独学でもCCNAの合格がめざせます。ただし、CCNAは2020年に試験内容が大幅に改定されているため、最新版となる「試験番号200-301」に適合した書籍を選びましょう。また、テキストと併用してオンラインの学習サービスも活用すると、不明点を解決しながら効率的に勉強しやすくなります。

大学やスクール等で学ぶ

CCNAは比較的勉強しやすい資格試験ですが、IT分野に慣れていない場合はハードルが高く感じるでしょう。学習に不安がある場合は、大学やスクール等で学ぶのがお勧めです。大学やスクールでは、周辺知識も含めて体系的に学べるため、CCNAに合格した後は上位資格の取得をめざすための勉強もできます。資格の取得だけではなく、就職・転職のサポートも充実しているため、転職やキャリアアップにも役立つでしょう。

通信制大学の「サイバー大学」では、CCNAの取得に活かせる科目が豊富にあるため、試験対策はもちろん実務に役立つ知識・スキルを身に付けることができます。

CCNA取得をめざすならサイバー大学へ!

シスコシステムズが認定するCCNAは、ネットワークエンジニアをめざす人に向いている資格です。取得することで基礎スキルを証明できるため、就職・転職に有利になります。CCNAは比較的チャレンジしやすい資格ですが、IT分野未経験の人や学習に不安がある人は、大学やスクール等で学ぶのがお勧めです。

通信制大学の「サイバー大学」では、CCNAに合格するための知識・スキルについて体系的に学べます。さらに、卒業に必要な単位を修得すれば、大卒資格(学士号)が取得できるのも大きなメリットです。学修支援はもちろん、進路選択や卒業後のキャリア形成のサポート等も充実しており、就職・転職の幅が広がるでしょう。

CCNAの取得に関してお悩みの方は、この機会にぜひ「サイバー大学」を検討してみてください。