
2025/06/13
株式会社フォネット(フォネットグループ)
- 業種
-
- 卸売業
- 小売業
- 情報通信業
- 従業員数
- 299人(2025年5月時点)
「社員の成長が会社の成長に直結する」授業料マッチングファンドで実現する社員教育と採用力強化
背景
- 「仕事で何でも経験できる時代ではない」社員の学ぶ機会減少に危機感。
- 「社員の成長こそ会社の成長」人材投資への強い想いが原点に。
- 人材獲得難の打開策。高校生に「働きながら大学で学ぶ」という選択肢を。
導入
- 決め手はソフトバンクグループへの信頼と親和性の高いIT・ビジネスの学び。
- 社員の成長を願う経営層の熱意で、制度導入をスピーディーに決定。
- 初年度は15人が入学。学びの価値を発信し、全社的な文化醸成をめざす。
成果
- 「学びは楽しい」社員から集まるポジティブな声。
- 社員同士が学友に。企業単位ならではの切磋琢磨できる学習環境。
- 開始1か月で早くも成長を実感。業務に活きるスキルと自己管理能力を習得。
展望
- 「社員が安心して学べる環境を」学習時間の勤務認定も視野に。
- 働きながら大学進学へ。県内高校への魅力発信で採用力の強化を。
- 「社員に真摯に向き合う」支援の見える化で選ばれる企業へ。
山梨県でトップクラスのスマートフォン販売実績を誇り、「情報通信関連サービスの提供により、人々に幸福をもたらす高度情報化社会の実現に貢献する」を経営理念に掲げる株式会社フォネット。同社は高校新卒者の採用と社員の人材育成に積極的に取り組んでおり、新たな人材育成戦略の一環として、サイバー大学の「授業料マッチングファンド」を活用。活用の背景から、具体的なプロセス、そして受講開始後の手応えや今後の展望まで、代表取締役の清水栄一様と、導入を推進した常務執行役員の稲山悟史様にお話を伺いました。

背景

左:稲山様、右:清水様
Q. サイバー大学の「授業料マッチングファンド」を導入するに至った経緯や背景についてお聞かせください。
稲山様:会社として、社員にもっと学ぶ機会を提供したいと常々考えていました。私自身がこの業界に飛び込んだ頃は、多くの経験を通じて仕事から学ぶことができましたが、近年は当時ほど経済状況が良くないこともあり、リスクを背負って挑戦をしたり、そこから深く学んだりする機会が減っていると感じています。

清水様:社員には幅広い知識や経験を身に付けてほしいと願っています。さまざまなことを学ばなければ、新しい発想は生まれません。社員の成長なくして会社の成長はありませんから、人材への投資はできる限り行っていきたいと考えています。ただ、これまでは全社員に対して網羅的に学びの機会を提供できているとは言えませんでした。特定の社員が業務に必要なスキルを習得するための支援は行ってきましたが、全社的な制度としての取り組みは今回が初めてです。
稲山様:それから、現在は人材獲得が非常に難しい時代です。当社では高校新卒者も多く採用しているので、何か魅力的な入社のメリットを提供したいという想いがありました。高校の進路指導では、大学進学、特に偏差値の高い大学への進学が推奨されがちです。しかし私は、本人が「働きたい」と考え、ご家族もそれを支持しているのであれば、社会に出て働きながら学ぶ道もあるべきだと考えています。この「授業料マッチングファンド」なら、高校生に対して「大学で学びながら働けますよ」と具体的に示すことができるので、これは大きな魅力だと感じています。
導入
Q.本学への進学支援を決めた理由を教えてください。
稲山様:一番の決め手は、我々がソフトバンクの代理店であることから、ソフトバンクグループの大学であるという安心感と信頼感です。また、我々が情報通信関連サービスを提供する企業であるため、IT分野を深く学べるという点も非常にマッチしていました。
清水様:まさに、ITとビジネスという、現代社会で求められている分野を体系的に学べるというのは大きな魅力でした。ちょうど当社では、AIに精通した人材を育成するために外部機関と提携する等、IT人材の育成に力を入れ始めたタイミングでもありました。
Q. 導入までの社内プロセスについて教えてください。
稲山様:私から清水社長に提案しました。当社は以前から人材への投資を重視してきましたので、サイバー大学様から「授業料マッチングファンド」をご提案いただいた時点で、間違いなく賛同してくれると確信していました。仮にこのご提案がなくても、何とかして進学支援策を導入しようとゴリ押ししていたかもしれませんが(笑)。それくらい、強い想いを持って推進していました。
清水様:もちろん、魅力的なお話でしたので導入は許可しました。ただ正直なところ、当初は手を挙げる社員はそれほど多くないかもしれないと予想していました。働きながら学ぶというのは、時間的な負担も大きく、相応の覚悟が必要だと考えていたからです。
Q. 実際に受講者を募ってみて、社員の皆さんの反応はいかがでしたか?
稲山様:全社員に希望者を募ったところ、初年度である今回は15人が名乗りを上げてくれました。実は私自身もその一人として入学し、実際に学んでいます。募集した際の反応は、率直に言うと、私たちの期待よりも少し反応が薄いかなという印象でした。理由を探るためにアンケートを実施したところ、やはり「仕事が忙しいなかで、学業と両立できるのか不安」という声が多かったです。私自身もまだ経験していないことだったので、この制度の価値を十分に伝えきれなかったという反省点もあります。今後、私を含めた経験者が、その価値や学びの楽しさをしっかりと社内に発信していくことが重要だと感じています。
清水様:15人という人数が多いか少ないかは一概には言えませんが、働きながら大学で学びたいという意欲のある社員がこれだけいることは、会社として非常に喜ばしいことです。この取り組みが、徐々に会社の文化として浸透し、広がっていくことを期待しています。私たちは元々、企業文化として「挑戦」を大切にしていますから、現在受講している社員たちがその経験を社内に共有することで、今後さらに多くの社員が入学を希望するようになるのではないかと感じています。
成果
Q. 入学から約1か月が経過しましたが、受講者の反応はいかがですか?
稲山様: 私を含め、受講している社員は皆、心から楽しんでいます!正直、勉強は苦行というイメージを持っていたので、このポジティブな反応には非常に驚きました。個人的には、データサイエンスの授業が特に面白いと感じています。
清水様:自分の興味関心のある分野を選んで学べますから、それが楽しさにつながっているのではないでしょうか。社会人としてある程度の経験を積んでから大学で学ぶことは、これまでの業務で習得した知識の定着を助けたり、自身の課題意識と結びつけて学べたりと、学びの質が非常に高まると感じます。また、社内に同じ目標を持つ同志がいて、受講者同士で気軽にコミュニケーションが取れるというのも、企業単位で取り組む大きなメリットだと思いますね。
稲山様: 日々の受講進捗を報告する等、社員間で自然と切磋琢磨する雰囲気が生まれています。授業とは直接関係ないのですが、「学割でラーメンの替え玉が無料でした!」なんていう情報交換で盛り上がることもあります(笑)。今後は学期終わりに食事会を企画する等して、さらに社内のコミュニケーションを活発にしていきたいと考えています。
Q. 入学後、何か短期的な効果や変化は感じられていますか?
稲山様: はい、早速感じています。例えば、プロジェクトマネジメントを学んでいるある社員は、明らかに仕事の進め方に変化が出て、視野が広がったなと感じる場面がありました。
清水様:その社員は元々学習意欲が高いタイプなので、大学で学びながら働くというスタイルが非常に合っているのだと思います。
稲山様: 私個人としては、受講を始めてから時間の使い方を今まで以上に意識するようになりました。単純に学習時間を確保するためのタイムマネジメントだけでなく、日々の業務もより効率的に進められるようになったと実感しています。
展望
Q. 今後、この取り組みをどのように発展させていく予定でしょうか?
清水様:まずは、社員が心理的な負担を感じることなく学べるように、会社として制度を整えていきたいと考えています。一人でも多くの社員にサイバー大学で学んでほしいのですが、「仕事と両立できるのか」という不安から、特に若手社員が手を挙げにくい状況があるのも事実です。そこを会社としてしっかりとサポートしていくことが重要です。例えば、1日のうち30分でも良いので、一定の学習時間を勤務時間とみなすような制度の導入も検討しています。
稲山様: 採用活動への活用も、さらに強化していきたいですね。山梨県内の高校に対しては、当社がこのような取り組みを行っていることを積極的にアピールしています。
Q. 同様の取り組みを検討されている企業の皆様へ、メッセージをお願いします。
稲山様: 会社の持続的な発展のためには、社員一人ひとりの成長が不可欠です。日々の業務のなかでは得られない知識や視点を、大学という環境では学ぶことができます。これは、間違いなく社員の成長に直結する取り組みです。まさに、授業でも学んだ「越境学習」という言葉が、この価値を的確に表していると思います。

清水様:「会社での学び」と色が異なる「大学での学び」は、新たな分野に触れ、知識の幅を広げる幸せにもつながります。会社が社員の成長を本気で応援していることを形として示すことが大切だと思います。ぜひ、そういった視点からも「授業料マッチングファンド」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
企業・団体情報
株式会社フォネット(フォネットグループ)
株式会社フォネット(フォネットグループ)は、山梨県を拠点に通信サービスを中心とした地域密着型の事業を展開する企業です。携帯電話販売をはじめ、インターネット関連事業や法人向けソリューションの提供、さらには教育や環境分野への取り組みにも力を入れ、地域社会の発展に貢献しています。ソフトバンクの代理店として携帯ショップの運営や各種通信サービスの提案を通じて、個人・法人問わず幅広いニーズに応えています。また、社員一人ひとりの成長を企業の成長と捉え、高校新卒者の採用や社員教育、社員満足度向上にも注力。地域に根ざした信頼と実績を強みに通信インフラを支える存在として挑戦を続けており、地域とともに未来を築く企業をめざしています。
