2026.04.09

研究・教育

本学では2025年度春学期から、学生が学びの成果を発表する「卒業研究科目 成果発表会」を開催しています。 第2回となる今回は、各ゼミナールから代表者23名が選出されました。テクノロジーとビジネスの知見を軸に、開発・経営・地域活性化・環境・文化など多方面の課題に挑む、多彩で実践的な研究発表が行われました。

最優秀研究発表賞には、出身地域ごとのおでん具材嗜好をクラスタリング分析する研究に取り組んだ学生ととやる気が出ないという誰もが直面する課題に対しコーチング理論に基づいたCoaching AI実装に取り組んだ研究の2件が選ばれました。

おでん具材嗜好のクラスタリング分析に関する研究は、身近な題材を高度なデータ分析によって読み解き、文化の多様性を可視化するという独創的な発想が高く評価されました。Coaching AIに関する研究は、心理学やコーチング理論を理論的な背景として、人の内面的な課題に対する新しい技術的アプローチを提示した点が高く評価されました。両研究は甲乙つけがたいとの判断から、今回は2名が最優秀研究発表賞を受賞しました。

発表タイトル

現代日本のおでん『勢力図』を解き明かす―おでん具材嗜好のクラスタリング分析と過剰集中倍率で探る、食文化の現在地―

受賞した学生のコメント

身近な「おでん」というテーマに機械学習を掛け合わせた研究を評価いただき、大変光栄に思います。本研究は、安間先生・藤澤先生からの丁寧なご指導と、ゼミ仲間との活発な意見交換があってこそ実現できたものであり、皆様への感謝の気持ちでいっぱいです。今後は、身近な違和感をデータで捉えるというこの研究を通じて得た視点を仕事にも活かしながら、データドリブンな思考を磨き続けていきたいと思います。また、「生涯学習」の精神を胸に、卒業後も学び続けることで、データサイエンスのさらなる可能性を追求していきます。

指導教員のコメント

本研究は、現代日本における地域ごとの嗜好性がどのように変容・残存しているかを、身近な題材であるおでんに着目し、データサイエンスの手法を用いて解明したものです。
学生自らで収集したアンケートデータを対象に、機械学習によるクラスタリングを実施していますが、回答者の居住地が首都圏に偏っているという弱点は、経済地理学の指標である特化係数(LQ法)を応用した過剰集中率を導入することで解決しようとしています。データ収集から前処理、機械学習モデルの構築、そして結果の解釈、分析と課題解決のための工夫まで、一連のデータ分析プロセスを主体的に遂行している点は評価されます。

発表タイトル

Coaching Pattern ―人間へ問いかけるAI―

受賞した学生のコメント

最優秀研究発表賞という大変光栄な賞をいただき、驚きとともに大きな喜びを感じています。研究では、AIエージェントのハルシネーションを抑えるため、答えを求めるのではなく問いを促すプロンプト設計を工夫し、試行錯誤を重ねました。研究を進めるにあたっては、田中先生のご助言や、学びを深め合えたゼミでの対話に大きく支えられました。感謝の気持ちを忘れず、今後もAIへの理解をさらに深め、困っている人の力になれるよう学びと研究を続けていきます。

指導教員のコメント

AIを活用し「どのような問題を解決するか」「なぜ解決したいか」「どのように解決するか」がいずれも明確です。人が持つ動機や行動特性を構造化しアルゴリズムに落とし込んだ点は、技術的にも教育的にも意義が深いものです。この発想をさらに発展させ実社会の課題に適用していくことで、新しい価値の創出に貢献する人材へ成長されることを期待しています。

本学は今後も、学生が探究心を持って社会課題の解決に挑戦できる環境づくりに取り組んでまいります。