庄司 武史 | 教員インタビュー | 通信制大学 | サイバー大学
社会学

社会学

庄司 武史
  • 客員講師
  • 教養科目

1. 出会い

先生の専門分野とその出会いについて教えてください

私の専門分野は社会学や社会思想です。特に、社会学者であり思想家でもある清水 幾太郎の生涯と思想を研究してきました。サイバー大学では、教養科目の「社会学入門」を担当しています。

元々、大学生の頃はずっと考古学を専攻していました。社会学に転向するきっかけは、卒論のテーマにしていたイタリア半島のとある文明の社会構造を調べるために、遺跡でお墓の副葬品から身分や階層を分析してデータを集めていたときです。

その文明は、指導者を頂点にピラミッド構造の身分制社会となっていて、固い結束で後にはローマの台頭に立ち向かっていました。そこで不思議に感じたのが、身分制社会つまり貧富の差というデメリットを受け入れてまで、なぜ人々は社会に属し、固い結束を生むことができたのかという点でした。またそこから、自分が生きている現代も含めた、人間が社会を作ることの意味や機能にも興味が湧いてきました。

そんな興味から、先生の勧めで隣接分野である文化人類学を学んでいくうち、フランスのエミール・デュルケームという、著名な社会学者の著書に出会いました。そして、自分の興味や疑問に対する答えは、社会学にあるのではないかと考えたところから本格的に学び始めました。

2. 学問

社会学はどのような学問ですか?

皆さんも小学校の社会科をはじめ、中学校や高校までで、社会を構成する仕組みや事実について学んだと思います。そこでは、仕組みについての背景や問題を追及することはあまり無かったと思いますが、社会学の本質は当たり前のものとして存在する社会のなかに、問題や疑問点を見つけていくところにあります。社会学は、そういった人間と社会の仕組みを見抜く「まなざし」といえるでしょう。

また、ラテン語で「クレアタ・エト・クレアンス」とも呼びますが、私たちは社会によって作られると同時に、社会を作っている存在でもあります。例えば、きちんと信号を守る、道を譲ってくれた人にちょっと会釈をするといった行為も、どこかで私たちの社会に繋がっています。社会は、私たちが規範を守ることで、実践して作っているのです。その社会を変えるのは、必ずしも大げさな行動などではなく、私たち一人ひとりの何気ない行動、思いやりや言葉です。社会学は、浮き彫りになった問題と向き合い、よりよい社会を展望する学問でもあります。

3. 面白さ

社会学を学ぶ面白さはどんな点でしょうか?

社会学は、社会で起こっていることをうまく説明してくれる道具として活用できます。学ぶことで、世界の大きな事件にも日常の小さな出来事にも、人間と社会との関係が根を張っていることが理解できるようになるはずです。

例えば、インターネット上での「炎上」が話題になることがありますよね。いつもはみんな、社会の繋がりのなかで基本的に規範を守りますが、インターネット上で匿名性があると誤認してしまうとその気持ちが希薄になり、規範を無視して本音を言ったりやりたいことをやってしまいます。

一見怖い事件や不可解な事件があっても、その背景にどのような繋がりがあるか推察できれば、むやみにパニックや不安にならず、冷静に寛容な気持ちで捉えることができます。そういった目線で物事を見られるのが社会学の面白さです。

4. メッセージ

入学を検討されている方にメッセージをお願いします

何かを学びたい、大学に行きたいという気持ちがあっても、なかには様々な事情から、大学に身体を運ぶことが難しいという人もいるでしょう。私も大学院時代のほとんどを社会人学生として過ごしたので、働きながら大学に通う難しさはよく分かります。心身に不自由なところがあって、勉強をしたくても大学に通うのが難しかった人も知っています。そういった悩みや難しさを抱えながら、なお学びたいという皆さんの意欲や期待を満たすひとつの選択肢として、インターネットを活用した通信制大学、サイバー大学は存在しています。

何かを学びたい、大学に行きたいという気持ちは、それ自身が何物にも代えられない宝物です。私たちは、そういう気持ちを皆さんに持ち続けて欲しいと思っていますし、皆さんの意欲や期待に応えられるよう努力を重ねています。一口に大学といっても、大学での学びには色々な形があります。様々な事情や制約に学びたい気持ちを諦めず、ぜひサイバー大学が提案する学びのスタイルを参考にしてみてください。

プライベートQ&A
プライベートQ&A

  • Q
    どのような学生でしたか?
    A
    基本的には真面目な学生だったと思います。社会学を学ぶようになってからは、講義はもちろん自分で本を読んだときも、重要な箇所や印象に残った部分を丁寧にノートにとっていました。学生時代は携帯電話を持っていなかったのですが、大抵私は図書館にいたので、友人や用事がある人はよく図書館まで探しに来てくれました(笑)。
  • Q
    ご趣味はなんですか?
    A
    仕事柄、やはり読書です。でも、研究を離れて読む本は、好きなシルクロード方面、楼蘭や敦煌などの旅行記や地誌が多いです。玄奘三蔵の『大唐西域記』、マルコ・ポーロの『東方見聞録』などは何度も読みました。また、社会や歴史の方向へ進むきっかけにもなった、高校生の頃読んだ柳田 國男の『遠野物語』も愛読書です。
  • Q
    お気に入りのものはありますか?
    A
    ペリカン社の万年筆とビッグベン社のパイプです。万年筆は婚約したときに妻から贈られた記念品です。書き心地が最高で愛用しています。パイプは新婚旅行でオランダへ行き、デザインが気に入って購入したのですが、喫煙者でないのでまだ使ったことがありません。いつかパイプが似合う大人になるのが夢です。
  • Q
    尊敬している人は誰ですか?
    A
    江戸の基礎を築いたことで有名な、太田 道灌という室町時代の武将です。彼には「山吹の里の故事」という逸話が残っていて、自分に足りないものを受け容れ、磨きをかけていく柔らかな姿勢を物語っています。私の座右の銘のような逸話です。

教員紹介

庄司 武史
庄司 武史
SHOJI Takeshi
  • 客員講師
  • 教養科目

​​東海大学文学部、法政大学社会学部卒業後、2002年から2011年まで民間のシンクタンクで国や自治体の統計調査や産業振興・地域振興等に従事。この間、2008年に早稲田大学大学院社会科学研究科修士課程を修了。2013年9月、同博士後期課程修了(博士(学術))。早稲田大学社会科学総合学術院助手、同助教を経て、2017年4月より首都大学東京都市教養学部助教。2014年より現職。

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