テクノロジー 2020.04.14

世界を救うテクノロジー

伊本 貴士 伊本 貴士 客員准教授
世界を救うテクノロジー

もう既に始まっていると思われる第四次産業革命では、IoTやAI、ブロックチェーンと言った技術が様々な革新を通して、社会に新しい価値を提供するでしょう。そのような世の中において、企業から高い注目を集めているのがSDGsです。SDGsとはSustainable Development Goalsの略で、貧困や差別など、国際的に残る様々な課題を解決するために設定された17個の目標です。
※参考:SDGsとは?(外務省HP)

例えば、SDGsで設定されている目標の一つに「安全な水とトイレを世界中に」とあります。

日本では考えられませんが、世界には安全な水を十分に飲むことができない国が現在でもたくさんあります。例えば、海水を淡水に変える事ができれば、安全な飲料水を大量に使うことができるようになるかもしれません。実は、このような海水淡水化を行うための技術は、日本企業を含む様々な企業において開発され、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどで実用化されています。

このような世界に貢献できる技術は、企業にとってブランドイメージを上げるためだけではなく、利益を上げるためにも有効です。先進的に取り組む企業として、アメリカの総合電機メーカーであるゼネラル・エレクトリック(GE)があります。
ゼネラル・エレクトリックは、2000年ごろから環境に優しい技術や機器を開発するビジネス戦略としてエコマジネーション戦略を掲げており、新しい市場を開拓すると同時に拡大する傾向にあります。このように、これからの企業は、新しいテクノロジーを用いて社会に新しいテクノロジーを提供しなければなりません。

経営戦略で世界的に有名なマイケル・ポーター教授も「共有価値の創造」というフレームワークを提唱しており、これから企業は経済利益活動と社会的価値の創出の両立が必要と述べています。つまり、社会に貢献できない企業は、利益を得ることができない時代になっていると言えます。

皆さんも、これから新しい技術を学ぶと同時に、そのようなテクノロジーが一体どのように社会に役立つのか、世界の企業がどのように活用しているのかを学ぶと、非常に有意義な人生を歩めるのではないかと私は思います。