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教養・外国語 2021.02.26

Limitless Future~無限の未来を持つゲームの世界~

西村 亨 西村 亨 客員教授
Limitless Future~無限の未来を持つゲームの世界~

世界最古のテレビゲーム

みなさんもゲームを見たり遊んだりしたことはあると思いますが、世界で初めて生まれたテレビゲームは何かご存じでしょうか?

1972年にアメリカで大ヒット作となったアタリ社の「ポン(PONG)」が有名ですが、世界最古のテレビゲームのひとつとして挙げられるのは、それ以前の1958年に登場しています。それは、アメリカの物理学者であるウィリアム・ヒギンボーサムが開発した「テニス・フォー・ツー(Tennis for Two)」で、展示会の来場者に遊んでもらう試遊機として製作されました。

遊び方も時代とともに変化

まだコンピュータが貴重だったこの当時、テレビゲームで遊ぶためには大きな専用機が必要で、プレイヤーは1回25セント、日本だと100円玉を入れなければなりませんでした。その後、半導体が量産され、毎年のように性能が向上していくにつれて、テレビゲームは家庭用のおもちゃとして急速に普及していきました。

ゲームボーイ、プレイステーション1、2、4、DS、Wii…これらはそれぞれ世界で1億台以上販売された代表的な家庭用ゲーム機ですが、こうしたゲーム機を買ってきて、そのゲーム機専用のソフトを買って遊ぶ。遊び終わったり、飽きたりしたら、また違うゲームソフトを買って遊ぶ…。そんな遊び方は、スマートフォンの登場によって、新しいスタイルに変わっていくことになります。

誰もが無料でゲームを楽しめる時代に

現代において、生活必需品とも言えるスマートフォンは、電話をかけるだけでなく、SNSでコミュニケーションを取ること、動画を撮ったり観たりすること、音楽を聴くことの他に、最新のゲームも「無料で」遊ぶことができます。無料のゲームアプリを楽しむ人のうち、1割程度の人がアイテムなどに課金します。スマートフォンユーザーの母数が大きいこともあり、こうした無料利用をベースにした「フリーミアムモデル」は今や世界的にも一般的なものとなりました。

急速に巨大化したゲーム市場

ITの進化によって、ゲームユーザーが飛躍的に増え、ゲームの市場規模は、家庭用ゲーム機がメインだった20世紀の頃に比べると、日本国内を見ても実に3倍以上の規模となり、20世紀にはほとんど存在感のなかったモバイルゲーム市場は、わずか10年ほどで1兆円を超える市場を形成し、ゲーム市場は大きな成長を遂げました。

それまで存在していなかった市場が、急に生まれ、急成長を遂げる。
ゲームというものは、ITをベースにしている最先端の娯楽だからこそ、ITの進化とともに発展し、ゲームで遊ぶユーザー数を飛躍的に増やし、市場もそれに合わせて急速な成長を遂げてきたと言えます。ここまでの流れを見てもわかるように、今後もITがさらに劇的な進化を果たすたびに、ゲームも大きな進化と変化を見せていくと予測できます。

現在までのゲームはITの進化、すなわち20世紀の「半導体の進化」と21世紀の「ネットワークの進化」によって飛躍してきましたが、今後どのような進化が待ち受けていると考えられるでしょうか。

AIと人々が行き交う新しいゲームの世界

ネットの進化で言うならば、5G、6Gとモバイルインターネットの超高速化が進むにつれて、ゲームの環境はもはやゲーム専用機に頼ることもなく、クラウド上にすべてが移っていくことになるでしょう。今は重たいゴーグルのようなヘッドマウントディスプレイを使わないと利用できない「VR(仮想現実)」の世界も、軽いメガネのようなもので手軽に体験できるようになり、誰もが自然に、リッチなVRの世界へと簡単に入り込めるようになるはずです。

その仮想世界には、プレイヤーが動かすキャラクターだけでなく、まるで本物の人のようなAIキャラが住みついて生活を営み、現実世界とは違うもう1つの世界が、そこに存在しているかのような錯覚をしてしまうかもしれません。また、自動翻訳で多言語対応がシームレスに行われ、世界中からいろいろな人が集まるようになり、そこでは24時間365日、毎日のように大小のゲーム大会も開催され、現在「eスポーツ」と呼ばれているものも、未来では誰にでもチャンスのある身近なものになっているかもしれません。

誰もが自由に、どこからでも好きな時間に楽しめる未来のゲームの世界。
私が授業を担当している「ゲームの歴史と未来」では、ITの進化がもたらしてきたゲームの進化の歴史を振り返りつつ、未来のゲームの姿を想像していきます。みなさんとぜひ未来の姿を語れればと思います。

西村 亨
西村 亨
NISHIMURA Toru
  • 客員教授
  • 教養科目

ソフトバンク出版事業のゲーム雑誌の編集を月刊・隔週・週刊誌で経て、2003年にはゲーム情報誌部・総編集長として、ゲームメディア部門の指揮を執る。2004年以降は、ソフトバンクグループのコンテンツに従事し、グループ内のオンラインゲーム会社の取締役を歴任。2008年よりサイバー大学客員教授として「ゲームの歴史と未来」を担当。