教養・外国語 2020.11.04

グローバル化時代に活躍する人材

井上 麻里 井上 麻里 准教授
グローバル化時代に活躍する人材

グローバル化が進展している世界の中で、多様なバックグラウンドを持つ人と円滑なビジネスコミュニケーションを取りながら新しい価値を生み出していく「グローバル人材」の需要が高まっています。一般的に、語学力、コミュニケーション力、主体性、協調性などが重要とされています。しかし、私は「好奇心」「行動力」「人との繋がり」も大事だと考えています。

自分の仕事や分野だけにとらわれず、さまざまな人・モノ・情報に興味を持つことにより、より多くの人々や団体・組織の考え方などに触れることができます。それにより、広い視野を持つことができ、多様性を受け入れることにつながると思います。

また、好奇心の赴くままに、考えたことをすぐに行動に移すことも重要です。私の場合、「気になったらやってみる」ことを心がけるようになってから、ロボットに関するクラスの受講、南部アフリカへの旅行、ビジネス提案やイベント企画など、さまざまな体験によって、人生をより豊かにすることができました。悩むより、行動を起こせば何でもできるという「自信」や「自己肯定感」にも繋がったと感じています。

何かに挑戦する際には、ある程度自分で考えたら、他の人と話し合ったり、有識者からアドバイスを受けると、一人では思いつかなかったアイデアが生まれたり、より多くの人たちと繋がることもあります。私自身「海外連携とITと教育の3つの分野に関わる仕事がしたい」と海外のソフトバンクの同僚に相談したことがきっかけで、サイバー大学の川原学長と出会うことができました。

「グローバル人材」の素養を鍛える機会としてひとつおすすめしたいのは、「ハッカソン」です。「ハッカソン」とは「ハッキング」と「マラソン」を組み合わせた造語で、エンジニア、デザイナー、プランナーなどが集まり、通常1~3日間程度で、与えられたテーマやツールをベースに、サービスやアプリケーションを開発し、競い合うイベントです。

私が過去に参加したハッカソンでは、提供されたアプリユーザーのトラフィックデータを活用し、チームで新たな旅行プランニングサービスを提案しました。私がプランナー兼デザイナーの役割を担い、二人のエンジニアがプロトタイプを製作。自らアイデアを出し、ストーリーやプレゼンを考え、話し合うことで、リーダーシップ、コミュニケーション能力、課題発見・解決能力などを磨くことができました。

また、他の参加者との交流の中で、当時の私と同じくロボット業界で働く人たちと知り合い、ハッカソン後も情報交換や相談ができる関係を築くことができました。翌年には、私が企画したイベントでスピーカーをしていただきました。

グローバル化時代を生きていくということは、決して英語ができるということではありません。様々な価値観を大切に、問題の解決に挑戦し続けることです。皆さんも行動力および人との繋がりを大切にし、豊かな想像力と旺盛な好奇心をもって、新しいことにチャレンジし、グローバル化時代の中で活躍できる人材を目指してください。