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通信制大学のなかの人にインタビュー

Interview11

プロジェクトマネジメント

勝 眞一郎

専任教授

PROFILE

1964年生まれ。機械製造業に18年勤務し、モノづくりの現場で、経営、設計、製造、物流、情報システムと広範囲な活動をグローバルな舞台で実践。情報システム部門のトップを勤めてきた経験から、実践的なプロジェクトマネジメント論を次世代に向け伝授している。業務コンサルタント。奄美大島出身。

        

出会い

先生の専門分野について教えてください

私は、専門分野であるプロジェクトマネジメントの専門科目と、教養科目の「ITによる知的生産術」を担当しています。

サイバー大学の教員になる前は、製造業の企業で経営幹部としてプロジェクトマネジメントを実践していました。例えばこの日にこの製品を納品して欲しいというオーダーから逆算して、何月何日に組み立てをするから、いつまでにこの部品を調達しよう…という生産管理など、製造業の業務はプロジェクトの塊といってもいいほどです。

そのため若い頃は実務を経験しつつ、社内外の先輩方に教わりながら国際的標準であるアメリカのPMI(プロジェクトマネジメント協会)が出しているテキストで、足りない知識を補うために勉強していきました。

学び(1)

プロジェクトマネジメントの授業は、どのような内容ですか?

例えば演習では、カレー作りのプロジェクトに取り組んでもらったりします。授業はオンラインですが、実際に作ってもらいます。なぜカレー作りかというと、1年次生などシステムやアプリの制作スキルが無い人でもプロジェクトを実体験できる構成にしたかったからです。それなら、料理がいいだろうということで一番嫌いな人が少ないと思われるカレーにしました。

もちろん、カレー作り=仕事を想定しているので、自分が好きなカレーを作っても仕方ありません。相手が食べたいカレーをヒアリングして作ってもらいます。すると1回目は大抵、思い込みが含まれていたりして、相手の想定していたカレーと異なるものになってしまいます。例えば辛すぎるとか、牛肉より鳥肉がよかったなどです。そういう要望を修正して、ようやく相手のイメージに近づいていきます。

仕事も同じで、最初にヒアリングをしっかりして仕様を引き出せていないと、後でそうじゃない、こうじゃないというギャップが発生し、無駄な時間やお金が発生してしまいます。ギャップの内容によっては、プロジェクト成否を分ける要因にもなります。

なお、3年次生以降向けの授業では、IT知識も一定程度以上身についているので、CMSを使い要望に応じたサイト制作をするといった、より本格的な内容になっています。

実践力

プロジェクトマネジメントの授業で、どんなことを学んでもらいたいですか?

大学なので、もちろん体系立てた知識もしっかりと身につけてもらいますが、プロジェクトマネジメントは経験が重要です。実際のプロジェクトで対処できる実践力を培ってもらえればと考えています。

いくら準備を重ねても想定外で理不尽なトラブルは絶対に起きますし、そのトラブルを解決するのは決まったテクニックではなく人間です。例えば資格を取って、実践が無いままリーダーとしてプロジェクトに放り込まれると、テクニック先行でその他の要素を考慮せずに進めてしまい、メンバーから総スカンをくらってしまうというケースがあります。

そのためゼミでは、教科書ではなく実際に理不尽な事件が起きて、それをどう切り抜けていくかをストーリー仕立てで書かれたプロジェクトマネジメントの本を使い、参加メンバーに一章ずつ発表してもらっています。

学び(2)

「ITによる知的生産術」はどんな科目ですか?

雑誌などで、著名人や経営者の手帳活用術が紹介されたりしますが、そのITバージョンというと分かりやすいかもしれません。

「知的生産」という言葉を創ったのは、さまざまな分野で功績を残した梅棹 忠夫先生です。優れた研究者はさまざまな研究データを収集したりアイディアをアウトプットしたりといった知的生産で、ITをうまく活用しています。この科目では、ITを仕事や生活で使いこなすための材料となる知識を身につけてもらいます。DropboxやEvernoteなどのクラウドサービスをこう使った方がいいよ、といった実践的な話も交えて紹介しているので、ビジネスマンにもおすすめです。

また、デバイスや技術の歴史も取り上げています。現在スケジュールや電話帳管理の主役となっている、スマートフォンが生まれる前には長い歴史がありました。そのデスクトップPCが登場してからインターネットが普及し、Palm Topなどさまざまな端末が開発され、PCがノート型になり、携帯電話も普及し…、といった歴史を把握したうえで、これからIoTによってどう変化が起きるのかも考えます。

実践力

どうすれば「知的生産」を実践できますか?

私がよく授業やコンサルの現場で使っているのは日本能率協会コンサルティングが開発した「YWT」というフレームワークです。何の略かというと「やったこと」「分かったこと」「次にやること」なのですが、特に3つ目が重要です。セミナーでも授業でも「やったこと」「分かったこと」をまとめるのはみなさん上手です。でも「じゃあ、あなたは2週間以内に何をしますか?」というと、なかなか実行に移さない人が多いんです。まずは2週間やってみてこれは合わないと思ったら止める。それを積み重ねていくことで自分流が増えて、今までの習慣をブラッシュアップさせていくことができます。

また、情報の整理の仕方も今後ますます必要なスキルになるでしょう。昔は紙しかメディアが無かったので、記者や作家、研究者などライターの立場になれる人は限られていました。しかし今は、ネットで誰もがライターになれる時代になり、情報量が圧倒的に増えてきています。特にネットのニュースは、嘘か本当かではなく、どれくらいインパクトがあるかどうかで広がってしまうという特徴があります。ですから、情報をどうフィルタリングして、何を自分に取り入れるかということをちゃんとやらないと、いい加減な情報を基にいい加減な研究や行動をしてしまうのです。

メッセージ

入学を検討されている方や、これから先生の授業を受講する学生にメッセージをお願いします

サイバー大学の素晴らしいところは、社会人経験がある学生が非常に多いということです。仕事でプロジェクトを進める大変さを知っていたり、上司やお客さんに怒られた経験もあるので、具体的に現場をイメージしながら進めることができます。管理職の人や経営者も多いので、各々の立場の経験談も交えて議論が盛り上がったりと、ゼミも有意義に進められます。

サイバー大学のコンセプトでもある「ITのわかるビジネスパーソン」「ビジネスの分かるITエンジニア」を育成するというプロジェクトを成功させるために、教員もスタッフも一丸となって学生のみなさんに協力したいと思います。

そうなりたいという目標がある方にはおすすめの大学ですので、ぜひ入学をお待ちしています。

Q&A
学生時代はどのような勉強をしていましたか?

経営システム工学のゼミで、プログラミングやシステムづくりの勉強に没頭していました。当時、プログラムを記録するメディアはカセットテープでした。

どんな学生でしたか?

1、2年次の頃は、鹿児島から東京に出てきたばかりだったので、テニスサークルに入って遊びほうけていました。真面目に勉強をし始めたのは、学部長に呼び出されてこのままだと落第するぞと怒られてからですね(笑)

尊敬している人、目指している人はいますか?

企画やメンタルトレーニングなど、さまざまな分野で一人ずつ、全部で10人くらいの師匠がいます。どなたも一緒に仕事で関わった、面識のある方です。

ご出身の奄美大島では、何か活動されていますか?

奄美大島の「フリーランスが最も働きやすい島化計画」推進に関わっています。クラウド技術などによって、離島にいても都心と変わらない仕事環境が整いつつあるので、奄美で仕事してもいいねって人が増えてきています。

休日は何をしていますか?

クラウドで仕事をしている人の特徴かもしれませんが、決まった休日というのはありません。奄美大島と住まいである湘南、どちらも海が近いので時間があるときは、趣味のサーフィンをしています。

お気に入りのものはありますか?

しょうぶ園という、鹿児島にある知的障害者施設の人たちが作ったバッグを愛用しています。デザインがとてもアーティスティックだし、機能性や使いごこちもいいですよ。