セミナー情報

「第2回 モバイル教育の基盤セミナー」を開催しました

2010年2月2日(火)、サイバー大学モバイル教育研究所は、富士通株式会社の協力を得て「第2回モバイル教育の基盤セミナー」を開催しました。本セミナーは、日本学術振興会の科学研究費補助金を受けて行っている同研究所の昨年度の研究成果を社会貢献の一環として発表しているものです。会場となった東京・汐留の富士通本社には、近年のモバイル環境の変化と教育ビジネスのあり方に対する関心の高い方約70名が集まり、熱心に聴講されました。

セミナーの冒頭、同研究所長の久保田達也IT総合学部教授が挨拶。久保田教授は「当研究所は2008年に故石田晴久教授のもと、私、久保田と勝准教授の3名による『3セグを利活用した教育の仕組みの研究』として、文部科学省から科学研究費補助金対象のテーマとして承認を得てスタートしました」と設立の経緯を語り、「今回の第2回セミナーは、モバイル環境と端末の大きな進化に合わせた教育のあり方を研究してきた成果を発表します」と話しました。

IT総合学部久保田教授

サイバー大学におけるモバイル教育研究の成果

研究発表の部「モバイル教育研究2010」は、久保田教授の「モバイル環境における創造性教育」からスタート。第一のモバイル特性として、オーディオブックで学ぶ耳による“反復学習”で、授業内容を深く理解する「気づき」の学習効果が認められ、さらに独自発想となる「閃き(ひらめき)」を誘発することが認められたことを説明し、さらに第二のモバイル教育特性として、“検索しながら”“twitterでコラボしながら”といった“ながら学習”で多元的に相互間で思考するICT効果が認められたことを紹介し、参加者の関心を呼びました。

またタブレットPCの登場で「見える化」教育プログラムという、見せて学ぶ、描いて学ぶという右脳を活用した学習方法に期待できるとする一方、Android携帯、Googleクローン端末機の登場とバックボーンとなるクラウド型教育環境の実現が今後の教育プログラムを大きく進化させると言及しました。

IT総合学部勝眞一郎准教授

続いて、勝眞一郎准教授が登壇。「離島におけるモバイル教育」をテーマに、地方の教育環境と通信環境の改善によって実現するモバイル教育と地域興しについて講演しました。

勝准教授は、全国8カ所で行われているEV(電気自動車)とITS(高度道路交通システム)の実証実験について、「実験で目指しているのは、環境を良くし、観光客を増やすこと。それには企画を練り、環境保護を現地で支える地元の人材を育てる環境が必要である。大学進学者の離島離れが地域興しのネックとなっているが、問題を解消するには、サイバー大学のように地元でも都会と同じ質の教育を受けられる環境を活用し、ホスピタリティや語学、地元の歴史の紹介などを効果的に学べる仕組み作りが必要である」と訴え、鹿児島県の奄美大島で行なっている現地調査を報告しました。

さらに今後の計画として「地域の人材育成のしくみと共に、今後は総務省と協力してホワイトスペース※を利用したワンセグ放送や無線利用などの実証実験を行っていく」と話を括りました。

※ホワイトスペース:特定の電波利用サービスを目的に特定周波数帯の利用免許が与えられているにもかかわらず、使用されていない周波数領域。

会場の様子

研究事例発表の様子

両教員による研究成果の発表に続き、有限会社ラウンドテーブルコム代表取締役の柳沢富夫氏が、「裾野が広がるm-Learning」をテーマに事例等を紹介しました。携帯電話の普及率が小学6年生時点で50%に及んでいるというデータに触れ、「お母さんの携帯電話が「お受験」に活用されています」と、すでに様々な立場の人がモバイル端末を使用した教育の利点を享受していることを説きました。

続いて日本Androidの会幹事の木南英夫氏が、Android搭載機器を始めとした今後のモバイル環境についての予測を発表。木南氏によると、Android Marketでは、既に2万件以上のアプリケーション登録があり、更に月4千件もの新規登録がされるなど本格的な普及が始まっているとのこと。今年は、Kindleにより段々と消費者に価値を見出されてきた電子ブックや、スマートフォンよりも画面が大きいタブレットPCがキーになると自らの考察を述べ、これらの製品が世に出ることで、モバイル教育の土台が完成すると展望を語りました。

その後、富士通株式会社の山本充彦氏が「スポットキャスト」サービス、林田健氏が「らくらくホンによる騒音キャンセル」を、ソフトバンクBB株式会社の山本哲氏が、クラウド型次世代ラーニング「A'OMAI」をそれぞれ取り上げ、自社で構築したモバイル教育の技術基盤の概観について説明しました。

質疑応答の様子

セミナーの最後に行われた質疑応答では、「iPhoneアプリ事業で成功する秘訣は?」という質問があり、この質問には「成功者の特性として、冒険家で人まねを嫌い、熱心にかつ楽しんで勉強をする点などが挙げられる。日本人にはユーモアが足りないので、その意識を変えて取り組むのも重要なポイントです」と久保田教授が熱く答えました。

また、「離島での企画者を育てるための秘訣などを教えてほしい」というリクエストに対しては、勝准教授が自ら企画者のための塾を開き、学びの場を作っていることを紹介し、地方自治体間の企画に対する意識のギャップや、企画力の差を無くしていきたいと想いを語りました。


4時間にわたるセミナーは、ソフトウェア技術だけではなく、ハードウェアにおいてもモバイル環境が充実していき、今後ますますのモバイル教育発展を予感させるものでした。

本学は、このモバイル環境充実の流れを追い風に、さらなる教育活動の普及に努めてまいります。

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