通信制大学とは、働きながら学びたい、地元を離れずに高等教育を受けたいといった、通学が困難な方のさまざまな学習ニーズに応えて創られた教育機関です。高校新卒の方の進路としてはもちろんのこと、高校卒業後、大学に行かずに社会人となった人が通信制大学で学位をとってキャリアアップしたり、一生勉強だと考えて学び続けていたりと、そのニーズは幅広いものがあります。

通信制大学の歴史は古く、戦後間もない1947年に学校教育法によって制度化されました。キャンパスを持つ大学・短大が通信部を設ける形が先行していましたが、今では通信教育専門の大学・短大も登場し人気を集めています。大学だけでなく大学院で通信制を採用しているところもみられます。

学習スタイルは教科書等のテキストを使って自宅で行うものとスクーリングが中心です。スクーリングとは一定回数または一定期間大学に通学して授業を受ける面接授業のことです。また、インターネットや衛星放送を使って、分かりやすく双方向による授業を展開する大学も増えてきました。

通学の時間を最小限に抑えられる、自分のペースで勉強できる等の特長から学生数は増え、今では20万人近くの方が通信制大学で学んでいるのです。なお、通信制大学も文部科学省に認可された大学ですので、卒業すれば「学士号」の学位が授与されます。

そんな通信制大学の魅力のひとつが「絞り込んだテーマについて勉強ができる」こと。一般教養の科目もありますが、社会人学生が多いことから高い専門性のある学習ができるようにカリキュラムが練られています。

もうひとつの大きな魅力は学費の安さ。スクーリングが少ない分、施設費や交通費の負担が軽減されます。

「学び直し」の必要性が重視されるようになった昨今、若い世代だけではなく、会社員をはじめとした30代以上の方が多く学ぶようになり、通信制大学での学びのスタイルが変わってきたことが指摘されています。一番働き盛りのときにこそ、「今自分がこの分野を身に付けたら大きく成長できる」「もっとこの分野を勉強しておくべきだった!」という分野が出てくるもの。このような欲求が生まれてきたら、通信制大学への入学を検討してみてはいかがでしょう。

日本でも、一度働いて、30代・40代にもう一度専門性を高めるための勉強をして仕事を加速するというリカレント学習が広がっているのです。大きな武器を身に付けてステップアップしたいビジネスマンにとって、通信制大学は大きなチャンスの場だといえるでしょう。


通信制大学についてゲーム形式で学ぼう!

選択した内容に応じて分岐する「インタラクティブ動画」です。通信制大学研究所の上原教授と本村研究員が通信制大学の気になるポイントを詳しく解説します。