野崎 昭弘
  • 教授
  • 野崎 昭弘  Nozaki Akihiro
  • 理学博士
  • 情報数学(特に計算量理論)、多値論理学

1936年神奈川県生まれ。東大理学部で数学を学び、修士課程修了後、電電公社(現NTT)の電気通信研究所に入社、コンピュータの世界に転進。1963年からは東京大学・山梨大学・国際基督教大学・大妻女子大学を経て、2007年よりサイバー大学IT総合学部に着任。

学生へのメッセージ

最近は「覚えて試験問題が解ける」ことをめざす受験教育が広まっていますが、社会に出ると「覚えた知識で解ける」問題などまずないので、私も大学で習った知識が役にたったことはほとんどありません。では「大学で学んだのはムダだったのか」というと、そうではなくて、専門学科に進んでから鍛えられた「考え方」、「言葉の使い方(特に正確な定義の仕方)」はほんとうに役に立ちました。また「興味を持った問題を粘り強く追及する」集中力も、役に立ったと思います。ですから皆さんも、「覚えて型にはまった問題を解ける」ことより、現実の問題に出会った時に粘り強くそれを解決できるように、まず「わかる」こと、そのために粘り強く「考える」ことをめざしてください。

担当科目

楽しい数学
科目紹介
一般に難しいと考えられている線形代数と微分積分学などをわかりやすく手ほどきします。ベクトル、行列、近似と極限、微分、面積と積分、ニュートンの基本定理や力学などを解説します。
楽しい数学演習
科目紹介
「楽しい数学」の応用編。三角比の応用、回転運動と三角関数、余弦定理・加法定理、図形の平行移動・回転、無限小数、ロケットの運動など。高校で三角関数が未履修の人にはその基本も説明します。
情報数学
科目紹介
情報科学で必要な基本的な理論の入り口のところを解説する事でコンピュータサイエンスの下地となる情報数学の基礎理論について理解力を高める。(1)ブール代数、(2)グラフ理論、(3)組み合わせ論、などコンピュータの動きを制御している基礎的な数学理論について講義を行う。この講義を通してコンピュータと情報数学の関わりを理解する。
アルゴリズム論
科目紹介
コンピユータのプログラムに代表される、情報処理の基本的な手順(アルゴリズム)を解説する。(1)式の計算、(2)表の検索、(3)データの整列、(4)ネットワークの問題(最短経路、ほか)など基本となるアルゴリズムを理解する事で、自らプログラミング設計を行う段において、性能面だけでなくその記述の美しさにおいて、その善し悪しを判断できるたけの技術力の習得を目標とする。
情報数学演習
科目紹介
「情報数学」の内容の理解を確かめ応用力をつけるために、その時点での理解力をより高めるに必要な課題を出し、随時レポートを提出してもらう事で円私有形式により指導を進める。対象となるテーマとしては、(1)論理と集合とブール演算、(2)一筆書き、(3)ハミルトンの世界一周パズル、(4)n個の玉をm個の箱に入れる仕方は何通り?などより具体的な、学生が興味を持つ事のできるテーマを随時選択してゆく。
アルゴリズムとデータ構造
科目紹介
効率がよく美しいアルゴリズムは、適切なデータ構造を前提としていることがよくあるがその事の理解力を深めるための演習を実施する。「1次元の表(リスト)」のような簡単なデータ構造から始めて、ネットワークの表現まで、いろいろなデータ構造をプログラミング言語で記述してみる事で、データ構造とアルゴリズムの関係を習得する。アルゴリズムだけでなくデータ構造の設計についての理解力を高める。

教員データ

研究テーマ

計算方法(アルゴリズム)の効率評価・改良とその限界を研究する「計算量の理論」と、コンピュータの演算部品を抽象的・一般的にモデル化した「多値論理関数」についての「どれだけの部品を用意すれば任意の入出力関係を実現できるか」という問題(完全性の問題)を長年研究しています。

所属学会

日本数学会、情報処理学会(フェロー)、電子情報通信学会、日本数学協会、数学教育協議会

学会・社会活動

・1998年~2008年 数学教育協議会委員長

・2002年~ 日本数学協会理事

・2003年 情報処理学会フェロー

研究活動又は実務経験

・1965年 日米科学協力セミナー「機械翻訳」のメンバーとして渡米

・1967年~1969年 フランスグルノーブル大学理学部客員助教授として機械翻訳研究所に滞在

・1987年 日米科学協力セミナー「計算量理論」日本側代表者

・1990年 ICM90(国際数学者会議)学術委員として企画・運営に参加

・2000年 ICME9(数学教育世界会議)組織委員、国際円卓会議パネリストに日本代表として参加

研究業績【著書】

1.アルゴリズムと計算量
単著 1987年10月 共立出版

2.離散系の数学
単著 1980年8月 近代科学社

3.不完全性定理
単著 1996年9月 日本評論社

4.離散数学「数え上げ理論」
単著 2008年11月 講談社

5.哲学辞典
共訳 2007年4月 筑摩書房(ちくま学芸文庫) pp.191-400

研究業績【論文】

1.Practical Decomposition of Automata
単著 1978年3月 Information and Control, Vol.36

2.Polynomial-size Frege proofs of Bollobas' theorem on the trace of sets
共著 査読有り 2008年8月 Proceedings of the Japan Academy, Vol.84, Ser.A, No.8 pp.159-161

3.ベキ和の一般公式のいくつかの導き方
単著 査読有り 2008年12月 数学文化 第11号 pp.64-83

4.多項式関数を関数値から決定する諸アルゴリズムの比較
単著 査読有り 2009年3月 サイバー大学紀要第1号 pp.15-31

5. 直交する準線形関数族について
単著 査読有り 2010年3月 サイバー大学紀要第2号 pp.23-40

研究業績【その他】

1.ゲーデル、エッシャー、バッハ
共訳 1985年5月 白揚社

2.P=?NP問題
単著 2007年10月 科学(岩波書店) pp.1052-1054

3.「国見・斉藤の予想」についての確率論的アプローチ
共著 2008年5月 数学教室(国土社) pp.96-99

4.スターリングの公式についての一注意
単著 2008年7月 サイバー大学紀要準備号 pp.81-82

5.遠山啓と数学教育
単著 2009年11月 図書(岩波書店)、pp.6-9

6.情報数学の数学者たち
単著 2009年12月 現代思想(青土社) pp210-219

7.『数理科学」は語る
単著 2010年2月 数理科学(サイエンス社) p.61

8.数学教室と高木貞治先生
単著 2010年8月 数学通信(日本数学会) pp.28-33

・1985年 第22回日本翻訳文化賞

・2003年 日本数学教育学会・85周年特別表彰

・2007年 日本数学会・出版賞


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