吉村 作治
  • 吉村 作治  Yoshimura Sakuji
  • http://www.egypt.co.jp/
  • 工学博士
  • 比較文明論、エジプト美術考古学

早稲田大学在学中の1966年、アジアで初めてのエジプト調査隊を組織して以来、40年にわたってエジプト現地で発掘調査・研究を続けている。マルカタ南・魚の丘遺跡彩色階段、ピラミッド建造法解明の鍵となる世界最古級の大型石造建造物ほか、数々の発見により世界的に高い評価を受けている。

学生へのメッセージ

学生の皆さんには、インターネットさえあれば、地球上がキャンパスになるこの大学を、思う存分活用してほしいと思います。自宅はもちろん、街中や海外で受講することもできますから、より自由に、自分らしく勉強することができます。フィールドワークやインターンシップも、着々と準備を進めています。ユニークな教授陣も続々と増えていく予定です。ぜひ楽しみにしていてください。教職員一同、学生の皆さん一人ひとりの可能性を広げられる大学をつくるため、引き続き全力で頑張っていきたいと思います。

担当科目

比較文明学概論
科目紹介
エジプトを核に、中南米、インド、ギリシアといった異質な文明を同時に学び、文明の流れにおいて地理的・民族的・宗教的な違いなどを建造物や生活において比較して学習します。文明の中の違いだけでなく、同質なものをも注意深く観察することで、文明の本質である人間の存在の意義を確認します。
エジプトを掘る
科目紹介
日本隊は、エジプト考古学において、様々な先端技術で調査を行ってきました。そのダイナミックな歴史、文化、そして古代エジプト人の豊かな考え方を理解し、エジプト文明の成り立ちを考察することで、人間の未来を探ります。

教員データ

研究テーマ

私の専門はエジプト考古学で工学博士号をもっています。考古学者が何故工学博士なのかとよく質問を受けますが、少なくとも考古学は文学ではないということをわかって下さい。エジプト考古学以外の私の専門は比較文明学と世界遺産学です。両方ともエジプト文明との比較で入った学問です。世界遺産は文化、自然を含めて400ヶ所以上訪れています。言い換えると旅行好きということです。そして文化財保存とか、分析考古学といった理工系の学問分野も大好きです。また考古学の分野よりずっと古い恐竜学や地球学、宇宙学なんていうのにも興味を持っています。もちろん宗教学や文化人類学もです。

所属学会

比較文明学会、日本建築学会、ICOMOS、日本考古学協会、日本考古学会、日本文化財学会(評議員)、オリエント学会、早稲田大学エジプト学会、日本文藝家協会、NPO法人エコツーリズム協会(アドバイザー)、日本旅行作家協会

学会・社会活動

・1993年4月~7年3月 NHK番組審議委員
・1995年4月~17年3月 ユニベール財団評議員
・1999年3月~12年1月 インターネット万博委員
・2000年4月~現在に至る 笹川平和財団評議員
・2001年4月~現在に至る 比較文明学会理事 (2006年4月より副会長)
・2004年6月~現在に至る NHK国際放送審議委員

研究活動又は実務経験

1. エジプト・アラブ共和国における遺跡調査
1966年 ジェネラル・サーベイ(エジプト各地を視察し、写真資料の取得、遺物の収集などを主に行った)
1972年~1982年 ルクソール、マルカタ南遺跡における発掘調査
1978年~1985年 カイロ、アル=フスタート遺跡における発掘調査
1982年~1988年 ルクソール、クルナ村における貴族墓の調査
1987年 ギザ、クフ王のピラミッドおよびその周辺のレーダー探査
1989年~現在に至る 王家の谷、アメンヘテプ3世王墓の発掘
1991年~現在に至る ギザ、クフ王の「第2の太陽の船」予備調査
1997年~現在に至る ダハシュール北遺跡における発掘調査

2. ユネスコとの共同による保存修復調査
2000年~現在に至る ユネスコと共同で、ルクソールの王家の谷にあるアメンヘテプ3世王墓の壁画の保存修復作業を実施

3. 出土遺物に対する保存修復作業の実施
2005年~現在に至る ダハシュール北遺跡およびアブ・シール南遺跡から出土した遺物について、専門家を招聘して保存修復作業を実施

4. CTスキャンおよびコンピュータ・グラフィックスを用いたミイラの復顔研究および解剖学的研究
1982年 シェイク・アブド・アル=クルナの貴族墓から出土したミイラをCTスキャンによって解析し、そのデータを基にミイラの生前の顔を復元
2006年 ダハシュール北遺跡から出土したミイラをCTスキャンによって解析し、そのデータを基にミイラの生前の顔を復元

5. 国内における展示会の企画・運営および図録の作成
国内においてエジプトやその他の文化遺産に関する展示会が頻繁に開催されており、その企画・運営や展示品図録の作成などを行っている。以下に近年行われた代表的な例を列挙する。

1990年7月~1990年9月 「黄金のエジプト王朝展 国立カイロ博物館所蔵」
1994年12月 「ファラオの食卓~古代エジプト食べ物がたり」
1994年~1995年 「古代エジプト文明と女王-女神イシスからクレオパトラまで-」
1995年3月 「早大・エジプト学術交流30年展」
1996年2月~1996年3月 「再現!ファラオの暮らしとインテリア」
1999年2月~1999年12月 「ウイーン美術史美術館所蔵 古代エジプト展」
2000年8月~2001年7月 「世界四大文明 エジプト文明展」
2001年~2002年 「国立カイロ博物館所蔵 古代エジプト文明展」
2002年3月~2006年10月 「ドイツ・ヒルデスハイム博物館所蔵 古代エジプト展」
2003年7月~2003年8月 「謎の古代文明展」
2004年8月~2004年10月 「吉村作治写真展 悠久のエジプト-5千年の時を超えて」
2004年8月~2006年4月 「エジプトと吉村作治の世界展」
2006年7月~平成2008年8月 「吉村作治の早大エジプト発掘40年展」

6. 各種のシンポジウム、フォーラムの運営
申請者を中心に古代エジプトやイスラム文化、考古学関連分野などのシンポジウム、フォーラムを毎年数回開催している。一般人も含め毎回多数の来場者が見られ、様々な学問分野の一般への教育・普及に役立っている。以下に、近年行われた代表的なものを列挙する。

2000年1月 「エジプトを掘る-それをめぐる様々な学問分野-」
2001年7月 「イスラムとIT~イスラム世界におけるITの展開とその意義~」
2001年10月 「エジプト・フォーラム9」
2002年7月 「X線考古科学国際シンポジウム~文系と理系の融合が切り拓く考古学の未来~」
2002年9月 「エジプト・フォーラム10」
2002年10月 「イスラムとIT~イスラムを支える技術革新と歴史文化~」
2003年9月 「エジプト・フォーラム11 ピラミッド誕生の謎に迫る」
2003年10月 「イスラムとIT~イスラム的技術の多様性と可能性~」
2004年10月 「エジプト・フォーラム12 早大エジプト発掘-新発見レポート-」
2005年10月 「エジプト・フォーラム13」
2006年1月 「エジプトを護る-保存の世紀を迎えて:文化遺産保存の実践と今後」

7.エジプト学研究会の運営
1992年~2004年 早稲田大学エジプト学会を創設し、定期的に「エジプト学研究会」を開催

研究業績【著書】

1.エジプトを掘る-それをめぐる様々な学問分野-
共著 2000年10月 クバプロ

2.アブ・シール南〔I〕
共著 2001年3月 鶴山堂

3.古代エジプトを掘る
単著 2001年10月 PHP文庫

4.ルクソール西岸岩窟墓〔I〕-第241号墓と周辺遺構-
共著 2002年2月 エジプト学研究所

5.理工総研報告特集号 太陽の船〔I〕-クフ王第2の船予備調査報告-
共著 2002年2月 早稲田大学理工学総合研究センター

6.インカとエジプト
共著 2002年5月 青春出版社

7.古代エジプト“人生”の遺産
単著 2002年5月 青春出版社

8.ダハシュール北〔I〕-宇宙考古学からの出発-
共著 2003年2月 株式会社アケト

9.吉村作治論集
単著 2003年2月 株式会社アケト

10.A Study on the preservation and Conservation of the Cultural Heritages of Ancient Egypt -At the Site of Dahshur North, 1999-2001-
共著 2003年3月 早稲田大学理工学総合研究センター

11.ピラミッド文明・ナイルの旅
単著 2003年4月 NHKライブラリー

12.古代エジプト 埋もれた記憶
単著 2003年8月 青春出版社

13.ルクソール西岸岩窟墓〔II〕-第318号墓と隣接する墓-
共著 2003年9月 株式会社アケト

14.Conservation of the Wall Paintings in the Royal Tomb of Amenophis III - First and Second Phases Report -
共著 2004年11月 UNESCO & Institute of Egyptology, Waseda University

15.マルカタ南〔V〕-イシス神殿北建物址-
共著 2005年2月 株式会社アケト

16.ミイラ発見!! -私のエジプト発掘物語-
単著 2005年5月 汐文社

17.アブ・シール南〔II〕
共著 2006年4月 株式会社アケト

18.色即是空-コラム392-
単著 2008年10月 汐文社

19.「太陽の哲学」を求めて
共著 2008年12月 PHP研究所

20.エジプト考古学者の独言
単著 2008年12月 汐文社

21.続・エジプト考古学者の独言
単著 2009年5月 汐文社

22.学位請求論文「古代エジプト・クフ王「第1の船」の復原に関する研究」
単著 2009年5月 汐文社

研究業績【論文】

1.古代エジプト・クフ王“第一の船”の復原に関する研究~現行復原の検証と新復原案の提示(博士論文)
単著 1999年3月 早稲田大学

2.エジプトにおける文化財の保存・修復研究、ダハシュール北遺跡出土の新王国時代墳墓を事例に(その1)
共著 2001年3月 エジプト学研究第8号 pp.23-37

3.アメンヘテプIII世王墓保存修復プロジェクト予備調査概報
単著 2001年3月 エジプト学研究第9号 pp.39-46

4.エジプトにおける文化財の保存・修復研究、ダハシュール北遺跡出土の新王国時代墳墓を事例に(その3)
共著 2002年3月 エジプト学研究第10号 pp.5-15

5.エジプトの文化財保存問題-ルクソールの事例から-
共著 2004年 エジプト学研究第12号 pp.5-15

6.アメンヘテプIII世王墓保存修復作業概報
共著 2005年 エジプト学研究第13号 pp.5-21

7.エジプトにおける文化財の保存問題-デルタ地域の事例-
共著 2005年3月 イスラム科学研究第1号 pp.181-192

8.エジプトにおける文化財の保存問題-オアシス地域の事例-
共著 2006年3月 イスラム科学研究第2号

9.中東文化遺産の公開手法とデジタル化:フランス・ルーブル博物館
共著 2005年3月 イスラム科学研究第1号 pp.235-238

10.中東文化遺産の公開手法とデジタル化:エジプトの事例
共著 2006年3月 イスラム科学研究第2号 pp.157-162

11.セヌウのミイラ調査、2.木棺とマスクの考古学的所見/IV.保存修復研究、1.パシェドウの墓の保存作業/V.成果の総括と今後の展望
共著 2006年 ダハシュール・レポート

12.世界遺産の今後の展望について
単著 2006年4月 環境情報科学35巻1号 pp.3-7

13.アブ・シール南丘陵遺跡第15次調査報告
共著 2007年3月 エジプト学研究 別冊第11号 pp.33-58

14.Twelfth Season/Thirteenth Season/Fourteenth Season
共著 2008年2月 Dahshur Report vol.3 pp.6-9

15.Tentative Conclusion
単著 2008年2月 Dahshur Report vol.3 pp.16

16.Conservation of the Wall Paintings in the Tomb of Amenophis III
共著 2008年3月 Orient vol.XLIII pp.45-59

17.エジプト 王家の谷・西谷 学術調査報告書〔I〕
単著 2008年 中央公論美術出版

18.アブ・シール南丘陵遺跡第16次調査報告
共著 2008年 エジプト学研究 別冊第12号pp.47-65

19.Memphis and Its City Structure: Focusing on Southern Area
共著 2009年2月 Sate-Egitto Vol.1 pp.5-7

20.古代エジプトにおける甘味料 (1):基礎資料
共著 2009年3月 イスラム科学研究 pp.97-100

21.エジプト遺跡をめぐる文化行政の動向:上エジプト地域
共著 2009年3月 イスラム科学研究 vol.5 pp.89-96

22.アブ・シール南丘陵遺跡第17次調査報告
共著 2009年3月 『エジプト学研究』別冊第13号 pp.15-29

23.On site analysis fo artifacts excavated from Egypt by using newly developed portable diffractometer and fluorescence spectrometer
共著 2009年4月 technart2009 p.42

研究業績【その他】

1.Recent Excavations of Waseda University in the Saqqara Area and on the West Bank at Luxor
単著 2000年3月 The Eighth International Congress of Egyptologists

2.イスラム世界におけるITの歴史と現状について
単著 2001年7月 第1回イスラムとIT

3.世界遺産の保存と修復 ~その現状と未来
単著 2001年10月 エジプトフォーラム9

4.Islam and Information Telecommunication Technology : Egyptian Japanese Perspectives
単著 2002年3月 Cairo University -Waseda University

5.エジプトに於ける文化財行政とその保護について
単著 2002年4月 早稲田大学エジプト学会 第55回エジプト学研究会

6.カイロ周辺地域における歴史的文化財の保存問題
共著 2002年5月 日本中東学会

7.世界の文化遺産の保護:日本に期待されるもの
単著 2002年10月 文化財保存修復学会

8.文化と宗教の相克をどう乗り越えるべきか
単著 2002年10月 第2回イスラムとIT

9.エジプト文明における帝国思想
2003年11月 比較文明学会 第21回大会

10.環境と文明の未来
共著 2004年10月 比較文明学会 第22回大会

11.中東におけるテクノ・パーク構想
単著 2004年11月 第3回イスラムとIT

12.エジプト、アメンヘテプ3世王墓壁画保存修復プロジェクト
共著 2005年5月 文化財保存修復学会 第27回大会

13.アブシール南丘陵遺跡、石積み遺構周辺の歴史的変遷について:第10次-第14次発掘調査の成果から
共著 2005年10月 日本オリエント学会 第47回大会

14.エジプト・ダハシュール北遺跡:第10次調査報告
共著 2005年10月 日本オリエント学会 第47回大会

15.エジプト、アブ・シール南丘陵遺跡の保存整備計画案について
共著 2005年10月 日本オリエント学会 第48回大会

16.エジプトを護る ~エジプトの遺跡の発掘と保存修復~
単著 2006年1月 エジプトを護る―保存の世紀を迎えて:文化遺産保存の実践と今後―

17.第5、6回国際シンポジウム「イスラムとIT]
共著 2007年 イスラム科学研究 第3号 pp.117

18.吉村作治の新発見!エジプト展-国立カイロ博物館所蔵品と-
共著 2008年 RKB毎日放送株式会社 pp.14-15

19.黄金王ツタンカーメンの素顔-世界初のCTスキャン調査
監修 2008年7月 汐文社

20.黄金のミイラが眠る谷
監修 2008年7月 汐文社

21.古代エジプト 女王・王妃歴代誌
監修 2008年6月 創元社

22.Excavating in Egypt for 40 years -Waseda University Expedition 1966-2006
監修 2008年 AKHT Inc. pp.5-9

23.ギザの大ピラミッド-5000年の謎を解く
監修 2008年 創元社

24.第8回国際シンポジウム「イスラムとIT」
共著 2009年3月 イスラム科学研究 第5号 pp.185-186

学内プロジェクト研究所

文化遺産保存研究所 (研究所 所長)
2009年度~2014年度
文化遺産の保存科学的総合研究および保存・修復技術の開発研究

競争的研究資金の採択歴

研究代表者

・1991年度~1993年度 文部科学省科学研究費補助金 国際学術研究
「エジプト・アラブ共和国 アブ・シール地区におけるピラミッドおよび周辺遺跡の調査」(課題番号:03041079)

・1996年度 文部科学省科学研究費補助金 国際学術研究
「エジプト・アラブ共和国 アブ・シール南丘陵頂部の緊急保全と出土遺物の整理研究」(課題番号:06044138)

・1995年度~1997年度 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(A)
「エジプト・アラブ共和国 アブ・シール南地区における丘陵頂部および周辺遺跡の調査」(課題番号:07041025)

・1998年度~1999年度 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(A)
「エジプト・アラブ共和国 アブ・シール南地区における丘陵頂部および周辺遺跡の調査」(課題番号:10041036)

・2000年度~2002年度 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(A)
「古代エジプト、アブ・シール南丘陵頂部遺跡の保存計画に関する基礎的研究」(課題番号:12371011)

・2003年度~2006年度 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(A)
「エジプト・アラブ共和国 アブ・シール南丘陵遺跡の保存整備計画立案のための研究」(課題番号:15251001)

・2007年度~2011年度 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(S)
「エジプト、メンフィス・ネクロポリスの文化財保存面から観た遺跡整備計画の学際的研究」(課題番号:19100010)

1996年6月 地中海学会賞


このページのトップへ