教員が語る「実践力を育む授業」

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世界遺産学部

アーカイブ学 映像論基礎演習

この演習は、文章を書くように映像を作る事を学ぶ、いわば「映像の綴り方教室」

朝田 健治
Asada Kenji

実際に映像制作をしながら、そのノウハウを学べる、「アーカイブ学 映像論基礎演習」。テレビ番組の映像制作に長年携わってきた朝田教員に、映像メディアの役割の重要性や、特性を語ってもらいました。

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教員が語る「実践力を育む授業」

朝田先生がアーカイブ学の分野を目指すことになったきっかけを教えてください。
私が映像制作を始めたのは日本テレビの「すばらしい世界旅行」という番組を制作していたプロダクションに入社したことがきっかけでした。この番組は、世界の少数民族の伝統的な暮らしを紹介する評判の高い長寿番組でした。しかし、1990年頃、テレビ番組が娯楽・エンターテイメントに大きくシフトしてゆくなか、番組の視聴率は低迷し、その役割を終えることになりました。同時に、この頃は、世界各地で少数民族の伝統的な暮らしが消滅しつつあった時期でした。先輩ディレクターは「私たちは、人類の伝統的な生活の終章にぎりぎり間に合った幸運な映像記録者だった」と語っています。実際、この番組は貴重な民族記録映像として文化人類学・民俗学の分野で高く評価されています。

私は、アフリカや南米にわずかに残った人類の伝統生活を記録した貴重な映像アーカイブ制作にカメラマンとして参加できたこと、そして、今後も様々な伝統文化や伝統的な暮らしが加速的に消えていくだろうという想いから映像アーカイブの持つ役割の重要性をつよく意識するようになりました。
「アーカイブ学 映像論基礎演習」の授業内容と授業の特徴(見どころ)についてご紹介下さい。
この演習は、映像制作を体験する授業です。現在、ビデオカメラとパソコンがあれば簡単に映像作品を制作できるようになりました。このことは実際に映像制作を体験するとよく分かります。「撮影の方法」「編集の方法」「ナレーションの方法」を、体験を通じて学習していきます。

これまでも、映像制作は初めてという学生がほとんどでしたが、皆さん約10分の作品を完成させています。 この演習のキーワードは「習うより慣れろ」です。実践することでたくさんのことが学べると思います。
受講生に授業を通じてどういった能力を身につけてほしいとお考えでしょうか?
映像制作は文章を書くことと似ています。カメラで撮った「事実」は文章では「単語」にあたります。「単語」を組み合わせて文章にするように、カメラで撮った「事実」を編集で「再構成」することで映像作品になります。この演習は、文章を書くように映像を作る事を学ぶ、いわば「映像の綴り方教室」です。演習を通じて、「ボランティアなどの社会活動を伝える」、「身近にある文化財の保護を訴える」といったメッセージを映像で的確に伝えることができる「映像の文章力」を身につけてほしいと思います。
他にどういった科目を履修すると、より理解を深めることができるでしょうか?
私の演習では、撮影の手法、編集の手法といった映像制作の技術的なノウハウの習得が中心になります。映像制作の発想法、映像表現論などについては、世界遺産学部・斉藤次男先生の「アーカイブ学映像論制作論」の履修を薦めます。斉藤先生は松竹映画「男はつらいよ」などのプロデューサー、そして、テレビ番組の演出など経験豊富な映像制作者です。映像を志す人にとって大変有益な講義です。
最後に学生へのメッセージをお願いします。
映像は生まれてまだ100年、文字の歴史に比べると生まれたての赤ん坊のような若いメディアです。しかし、この短い歴史の中で、文字と同じように文法を獲得しました。その結果、ストーリーを展開し、思想感情を表現するメディアに成長しました。今日、私達は多くの情報をテレビや映画などの映像媒体を通して得ています。

映像は、活字メディアに比べると曖昧で感覚的、感情的といった側面があります。一方、言葉を尽くしても表現し切れない事柄を端的に伝えてしまうといった側面もあります。こうした映像メディアの特性を理解し、自己表現やアーカイブの道具として活用していただいきたいと思います。

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