教員が語る「実践力を育む授業」

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IT総合学部

情報経済論

物事の本質を捉えて、何かの法則性を見つけ、それを応用できる能力を身につけてもらいたい

前川 徹
Maegawa Toru

インターネットの商用利用、電子政府・電子自治体、ソフトウェア・ビジネス

新聞記事や小説、映画や音楽、ソフトウェアなどの「情報財」について学ぶ「情報経済論」。前川教員に、情報経済学について学ぶおもしろさや、社会での活かし方について訊きました。

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教員が語る「実践力を育む授業」

授業の内容について教えてください。
経済学的にみた情報財の特徴と、その情報財に関連するビジネスの特徴や企業戦略について学ぶ専門科目です。
情報財と聞いてピンとこないかもしれませんが、新聞記事や小説、映画や音楽、ソフトウェアなどが情報財です。情報財の最大の特徴は、最初に制作するために必要なコストは大きいけれど、再生産(コピーの作成)に要するコストが小さいことです。たとえば、パッケージソフトの開発にはかなりコストがかかりますが、それを販売する段階になるとソフトをコピーしてCDやDVDに記録すればよいので、それほどコストはかかりません。サーバーからダウンロードする形で配布すれば、再生産コストはほとんどゼロになります。
映画も同じですね。映画が完成するまでにはかなりのコストがかかりますが、それを配給するコストは相対的に小さくなります。
このほかにも「ネットワーク外部性」などの特徴があるのですが、そうした情報財の特徴と、情報財ビジネスの戦略について勉強します。
どういった点に情報経済学を学ぶおもしろさがありますか?
情報財は、自動車や家電製品、食品のような非情報財(形のある普通の財)とは、まったく違う特徴を持っているので、情報財に関連したビジネスを行う企業は、独特の企業戦略が必要になります。講義では、できるだけ具体的な例を示して、情報財ビジネスの特徴と企業戦略を解説していきます。
たとえば、パッケージソフトの世界では、それぞれの分野ごとに圧倒的なシェアを持つ企業が存在しているのですが、情報経済学を学ぶと、なぜそうなるのかを理解できます。また、CDやDVDの規格争いが起きる原因やデファクト・スタンダード(事実上の標準)の重要性についても学ぶことができます。
授業を通じて学生にどんな能力を身につけてほしいですか?
物事の本質を捉えて、何かの法則性を見つけ、それを応用できる能力を身につけてもらいたいと思っています。情報経済論で学ぶことはそれほど特殊なものではありません。身近な存在である新聞や雑誌、書籍、映画、パッケージソフトといった情報財やそれを扱うビジネスの仕組み、既存の企業が採用してきた戦略を考えれば、誰でもすんなりと理解できるものばかりです。
日常、つい見過ごしているような事柄に注意を向け、その変化や違いの原因を考え、小さくてもよいので普遍的な法則性を見つけることができる能力とそれを応用する能力を身につけてほしいですね。
授業で学んだことを社会でどのように活かしてほしいですか?
社会経済の情報化に進展に伴って、情報財に関連するビジネスがどんどん広がっています。情報財ビジネスに直接的あるいは間接的に関与している人も増えていると思います。そうした人たちには、この授業の内容を直接活かせるのではないかと思います。
また、情報財とは無関係のビジネスをしている人も、自分たちが扱っている財と顧客の特徴を考えて戦略を練るという考え方は仕事に役立つのではないかと思います。
学生へのメッセージをお願いします。
この授業では、「サンクコスト」「価格弾力性」「価格差別」「補完財と代替財」「ロックイン」「スイッチングコスト」「ネットワーク外部性」など難しいそうな言葉が出てきます。でも、中身はそれほど難解ではありません。うーん、なるほど、そうだったのかと思うことばかりです。ぜひ、情報財や情報財ビジネスの法則を一緒に勉強しましょう。

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